コミックハウス

株式会社コミックハウス：成人向け[[漫画]]編集の先駆者

株式会社コミックハウスは、漫画を中心とした雑誌・単行本、ドラマCD等の企画・編集・デザインを出版社から請け負う編集プロダクションです。特に成人向け[[漫画]]雑誌の分野で、その名を知られています。ここでは、コミックハウスの歴史、業績、そして現在の状況について詳しく解説します。

概要

コミックハウスは、1980年代に隆盛した美少女漫画雑誌の編集において、新たな潮流を生み出しました。当時、久保書店『レモンピープル』などがコンビニエンスストアで販売されていましたが、まだマニアックなイメージが強く、書店販売が中心でした。そのような時代に、コミックハウスは講談社などの下請けで培った青年漫画誌の編集ノウハウを活かし、1986年創刊の辰巳出版『COMICペンギンクラブ』で、洗練された誌面作りを持ち込み、状況を大きく変えました。

『COMICペンギンクラブ』は、B5版中綴じという青年漫画誌に近い形式を採用し、多くの読者が抵抗感なく手に取れるように工夫されていました。その結果、コンビニエンスストアでの販売を中心に発行部数を伸ばし、成功を収めました。この実績を背景に、富士美出版『COMICキャンディータイム』、フランス書院『COMICパピポ』、メディアックス『コミックゲイザー』、笠倉出版社『MANGA絶対満足』など、多くの出版社から編集業務を委託され、一時は増刊を含めて10誌近くを手がけていました。

コミックハウスが担当した雑誌群は、大手青年漫画誌、特にヤング誌に近い編集センスが特徴でした。ヤング誌でのアシスタント経験がある漫画家も多く、成人向けでありながら洗練された読みやすい漫画を提供することで、「出版社はどこでも、編集がコミックハウスなら大丈夫」という安心感を読者に与えていました。

1990年代以降の変遷

しかし、1990年代以降、有力な編集者の移籍や他社のノウハウ習得により、コミックハウスの優位性は徐々に失われていきます。例えば、1994年に創刊された『カラフルBee』（ビブロス）や『COMIC快楽天』（ワニマガジン社）は、誌面の洗練度でコミックハウスの水準に追いつき、凌駕するほどのセンスを持っていました。また、『COMICペンギンクラブ』の形式が美少女漫画誌の定型フォーマットとなったことで、一般向けのヤング誌もそのフォーマットを取り入れるようになりました。

このような状況を受け、2000年代に入ると、コミックハウスは子会社化した茜新社での出版活動を主体とするようになります。

2008年には、初の少年向けウェブコミック『少年ソリッド』を創刊しましたが、2013年に休刊しています。

現在の状況

2023年現在、コミックハウスはDMM.com、講談社、秋田書店などの外注請負の他、茜新社から刊行している『COMIC LO』など、マニア向けのロリコン成年漫画誌の刊行が中心となっています。成人向け[[漫画]]雑誌の編集業務は縮小傾向にありますが、架空のキャラクターによる表現も児童ポルノとして法規制の対象に含めようとする動きがあるなど、依然として厳しい状況に置かれています。

直営店

コミックハウスは、かつて直営のコミック専門店として、水道橋駅近くに「コミックハウス1号店」を経営していました。その後、成人向けコミック・雑誌は直営の「ダンジョンブックス」（秋葉原）に集約され、一般向けコミック専門店の「ジョイブックス」としてリニューアルオープンしましたが、いずれも閉店しています。

コミックハウスは、成人向け[[漫画]]雑誌の編集において、新たな道を切り開いたパイオニア的存在です。その功績は、業界に大きな影響を与え、多くのフォロワーを生み出しました。時代の変化とともに、その姿は変化していますが、成人向け[[漫画]]の歴史において、コミックハウスの名前は決して忘れることはできないでしょう。

もう一度検索