コヨメナ

コヨメナ（小嫁菜）

コヨメナ（学名：Kalimeris indica）は、キク科に属する多年草で、特に日本やアジアの各地で見られる植物です。道端でよく目にする野菊の一種で、特に若葉が食用として広く利用されています。上海では、この植物が料理に使われており、別名で「馬蘭」とも呼ばれています。

形態

コヨメナは、一般的な野菊に似た特徴を持ちながらも、その背丈はおおよそ30cmから60cm程度とやや小型です。夏の7月頃になると、茎の先端から細長い花茎を伸ばし、そこに花を咲かせます。花は頭状花序をなしていて、花弁は薄紫色または淡い黄色をしています。また、地下茎を持ち、小さな群落を形成することが特徴です。葉は卵状で、低い鋸歯がついており、深緑の色をしています。茎には赤と緑の2種類が存在し、特に赤い茎のものが食用に適しています。

コヨメナは、中国から九州を経て近畿地方に広く分布しており、オオユウガギクと交配した結果、異なる染色体数を持つ種も生まれています。

分布

この植物は、アメリカ合衆国のハワイ州から日本の四国、九州南部に至るまで広い地域で見られます。さらに、琉球列島や小笠原諸島、朝鮮半島南部、中国やインドシナ半島にも分布しています。主に畑や田んぼのあぜ道、広葉樹林内の林道、さらには山の斜面などで見ることができます。

利用

食用としての利用

コヨメナの若葉は春に摘まれ、生食や調理に利用されることが多いです。その独特な香りとさっぱりとした味わいから、山菜としての評価を受けています。中国の上海料理では、若葉を「馬蘭頭」として調理し、押し豆腐やタケノコ、中国ハムと混ぜて「香干馬蘭頭」として食されることが一般的です。これにより、塩や砂糖、ごま油で和えられた冷菜として楽しまれています。さらに、柔らかい葉を摘んでタケノコと酢で和える食べ方もあります。

日本では、コヨメナは雑草や山菜の一種として扱われていますが、中国では早春に種を蒔き、清明節の頃に2回収穫を行います。赤い茎のものは特に美味しいとされ、別名「紅梗菜」とも名付けられています。

薬用としての利用

コヨメナは、薬用植物としても利用されます。夏または秋に全草または根を採取し、乾燥させたものが生薬として用いられます。清熱や解毒作用があるとされており、『本草綱目』では根や葉が瘧や腹痛、痔に用いられることが記されています。近年では、全草を煎じて慢性気管炎に効果があったという臨床報告も存在しています。

近縁種

コヨメナが属するヨメナ属は、東アジアに約10種存在し、日本にもそのうちの5種が知られています。オオバヨメナを除くと、これらの種は互いに非常に似通った特徴を持っています。

参考文献

• - 馬蘭 Malan 藥用植物圖像數據庫（香港浸会大学中医薬学院）

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