コリントの信徒への手紙二

コリントの信徒への手紙二

『コリントの信徒への手紙二』は、新約[[聖書]]に含まれる書簡であり、使徒パウロとその協力者テモテがコリント教会に宛てて書いたものです。この手紙は「コリント人への第二の手紙」とも呼ばれ、略称として「ニコリ」が用いられることもあります。本書簡は、パウロが前に執筆した『コリントの信徒への手紙一』に続く形で送られました。

書簡の背景と目的

この手紙は、パウロがエフェソスを離れてマケドニア州に向かう途中に書かれたとされています。エフェソスでの宣教活動は成功を収めたものの、様々な反対者の活動により、パウロはここに留まることが困難になりました。彼はトロアスでテトスと合流してコリントの状況を確認する計画がありましたが、その計画は叶わず、不安な日々を過ごしていました。しかし、後にマケドニアのフィリピでテトスと再会し、コリント教会の状況を知ることができました。

この書簡は、コリントの信徒たちに対する思いや、彼らの問題に対してのアドバイスを含んでおり、他のアカイア州の共同体にも宛てられています。

内容の概要

手紙は全体で13章から構成されており、以下のように内容が整理されています：

1. 第1章～第7章 では、パウロの内面的な困難や、コリントの信徒たちへの深い思いが述べられています。特に、彼は自らの苦しみを率直に語り、信仰による支えの重要性を伝えます。

2. 第8章～第9章 では、慈善活動の重要性について言及し、とりわけエルサレムの共同体への支援を依頼します。これは、教会の団結と愛の実践を促すものであり、信者たちに具体的な行動を求めています。

3. 第10章～第13章 では、パウロ自身に対する批判への反論や、コリント信徒への配慮がまとめられています。特に第11章では、パウロの人生における数々の困難を列挙しており、第12章では自身の霊的体験について触れています。この部分はパウロが自己について語る重要な部分であり、彼の使徒としての立場に影響を与えたと思われます。

書簡の統一性と構成

この書簡の中には、パウロの文体や表現に急激な変化が見られることから、複数の書簡を編集した成果であるとの見解が広がっています。研究者たちによると、こちらの書簡はボルンカムらが提案したように、5つの異なる書簡を組み合わせた形であるとされ、それぞれが以下のように分類されています。

• - 書簡A: 第2章14節～第7章4節
• - 書簡B: 第10章1節～第13章13節
• - 書簡C: 第1章1節～第2章13節および第7章5節～16節
• - 書簡D: 第8章
• - 書簡E: 第9章

以上のように『コリントの信徒への手紙二』は、パウロの思いや教えが詰まった重要な文書であり、信仰を深めるための多くの示唆を与えてくれます。そして、歴史的な背景や文献としての価値を持ちながらも、現代においてもなお、信者たちにとって大切なメッセージを届けているのです。

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