コルカタ級駆逐艦

コルカタ級駆逐艦（Kolkata-class Destroyer）

コルカタ級駆逐艦は、インド海軍が運用するミサイル駆逐艦であり、インド海軍の計画番号15A型で指定されています。この艦級は、インド海軍設計局によって設計され、旧型のデリー級駆逐艦を基にしているため、先代の技術や設計理念が反映されています。特に、外部装備の導入やステルス性の向上が重視されており、近代的なネットワーク戦争に対応するための設計がされています。

設計の特徴

コルカタ級駆逐艦は、15型駆逐艦（デリー級）を基にしているものの、そのデザインにはソビエト連邦から輸入された61ME型（ラージプート級）の影響が見られます。外壁には傾斜が設けられており、レーダー反射断面積（RCS）の低減に寄与しています。これにより、敵のレーダーによる探知を難しくし、艦艇の生存性を向上させています。また、タルワー級フリゲートでの設計体験も反映されているため、総じて高い運用効率を誇ります。

主機関は15型と同様、ウクライナ製のDT-59ガスタービンエンジンを4基搭載しており、COGAG（Combined Gas and Gas）方式によって効率的な推進力を生み出しています。このシステムは特に十分なパワーを保持しつつ燃費の向上を図っています。

装備とセンサー

コルカタ級の主なセンサーは新たに開発されたEL/M-2248 MF-STARです。このレーダーは4面固定式のアクティブ・フェーズドアレイ（AESA）アンテナを使用し、艦の艦橋構造物の後方に位置する塔状構造物に配置されています。これにより、多数の目標に対して迅速かつ正確な追尾が可能です。このセンサーは、艦対空ミサイルや艦砲による攻撃も担う多機能性を持っています。さらに、長距離捜索に対応するためのRAWL-02と、低空警戒用のEL/M-2238 STARレーダーも搭載されており、総合的な防空体制を実現しています。

艦対空ミサイルに関しては、バラク8が採用されており、これはインドとイスラエルの共同開発によるものです。垂直発射システム（VLS）は、艦橋の直前と後部煙突の直後に16セルずつ配置され、効率的なミサイル運用を可能にしています。一方、艦対地及び艦対艦ミサイルはロシアと共同開発した超音速ブラモス巡航ミサイルとして搭載され、特に艦橋前方の甲板室に16セルが配置されています。この設計により、すべてのミサイル発射機が垂直発射となり、敵からの探知を更に難しくしています。

同型艦と運用開始

コルカタ級の初建造に関しては、1998年8月に3隻が発注され、最初の艦は2003年に起工されました。多くの最新装備を搭載しているため、就役までに時間がかかるものの、2014年から運用を開始しています。また、2011年にはこの級をさらに発展させた15B型（ヴィシャーカパトナム級駆逐艦）の建造が承認され、今後は新たな艦の建造が進められる予定です。

コルカタ級駆逐艦は、インド海軍にとって重要な存在であり、その設計と装備の最新性は近代戦に向けた大きな進化を示しています。

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