タルワー級フリゲート

タルワー級フリゲート

タルワー級フリゲートは、インド海軍の主力中型艦であり、その設計はロシアの1135.1型国境警備艦（クリヴァクIII型）を基に、インド向けに大幅な改設計を施されています。この艦は、ロシアの設計番号では1135.6型または11356型と称され、2003年から2004年にかけて前期建造艦が就役し、2012年から2013年には後期建造艦も登場しました。これらは「タルワーI級」と「タルワーII級」として区別されています。

設計の特長

タルワー級フリゲートは、部分的にステルス能力を持つ艦であり、主に防空任務を考慮して設計されています。船体は、長船首楼型を採用しており、艦の比率を含めた全体のデザインは、効率的かつ機敏な運航を可能にしています。推進システムは、UGT-6000（DS-71）ガスタービンエンジンとUGT-16000（DT-59）ガスタービンエンジンで構成されるCOGAG機関を2セット持ち、総出力は55,284馬力に達します。また、バルチラ社製のディーゼルエンジンを用いた発電機により、電源も安定して供給されています。

装備とセンサー

タルワー級は、多様なセンサーが装備されています。主な戦術情報処理装置には、ロシア製のトレーボヴァニェ-Eが搭載されており、最大24の対象を同時に処理することができます。この装置は、輸出向けに調整されたもので、ロシア本国向けのモデルよりも能力が制限されています。さらに、艦の主センサーとしてフレガートM2EMレーダーが設置され、別途対水上捜索用のガルプンBレーダーや低空警戒用のMR-352「ポジティブE」レーダーも備わっています。

武器システム

武器システムにおいて、タルワー級フリゲートの肝は艦隊防空ミサイルシステムです。シュチーリ・システムが採用されており、ミサイル発射機は単装で1基、火器管制レーダーは4基の構成です。これにより、艦対艦ミサイルについても、前期建造艦ではロシア製の3M-54E「クラブ-N」、後期建造艦ではインドとロシアの共同開発によるブラモスが搭載されています。このミサイルは、8連装のVLSに収容されています。

また、対潜作戦に関連しては、RBU-6000対潜ロケット砲およびPTA-53 533mm魚雷発射管を装備しており、様々な対艦・対潜兵器に対応しています。防御面では、近接防空用にカシュタンCIWSやAK-630Mガトリング砲を備えています。

航空運用能力

艦上には中型ヘリコプターの運用を可能にする格納庫と甲板があり、ロシア製のKa-28やインドのHAL ドゥルーブが搭載可能です。将来的には早期警戒機のKa-31も運用することが考えられています。

運用の歴史

タルワー級の建造契約は、1997年に締結されました。最初の3隻はサンクトペテルブルク市のバルチースキィ・ザヴォートで建造された後、インド海軍に引き渡されました。その後、追加建造のための契約が結ばれ、ロシア及びインド双方の造船所でタルワー級は続々と建造されています。最新の艦では、ブラモスミサイルシステムを搭載することが検討されており、インドの海上作戦能力を向上させています。

以上のように、タルワー級フリゲートは、インド海軍の海上防衛において中心的な役割を果たす艦艇であると言えるでしょう。

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