コルテノール級フリゲート

コルテノール級フリゲートについて

コルテノール級フリゲートは、オランダ海軍の主力艦である標準フリゲートの艦級です。元々は1950年代の駆逐艦を更新する目的で計画され、1960年代にはNATOの標準化に基づいて設計された経緯があります。1968年には、イギリス海軍のリアンダー級フリゲートの後継艦計画に参加することとなりましたが、設計や要求事項における相違から1970年にはオランダが計画から撤退し、その後は国内での独自設計に移行しました。これがコルテノール級の誕生につながっています。

設計の概要

コルテノール級の船体設計は、フランス海軍のジョルジュ・レイグ級駆逐艦に似ています。特に、クリッパー・バウ構造や2層の全通甲板を備えたデザインが特徴的です。船体は15の水密区画に分かれており、安全性が確保されています。また、舵は半釣合舵で、復原性の向上を目的に幅広い船型が採用されています。この艦級は、速力性能と安定性を兼ね備えるため、慎重に設計されました。

主機関にはロールス・ロイス製のタインRM1CとオリンパスTM3Bを組み合わせたCOGOG方式を採用しています。機関部は高度に自動化されており、少人数での運用が可能です。さらに、4つの発電機が搭載されており、450ボルトの三相交流電源を生成します。

装備と武器システム

コルテノール級は、NATOの標準装備を原則として採用していますが、電子装備については主に国産化されています。戦術情報処理装置SEWACO-IIを中心としたC4ISRシステムを搭載しており、レーダーシステムには対空・対水上捜索用のレーダーが装備されています。

武器システムとしては、アメリカ製のハープーン艦対艦ミサイルを採用しており、平時は2～4発、戦時は8発を搭載可能です。防空ミサイルとしてはNATOシー・スパロー・ミサイル・システムが搭載され、艦橋近くには8連装発射機が設置されています。主砲にはオート・メラーラ製の76mm速射砲が装備されており、その改良も行われています。

運用と歴史

コルテノール級は、1974年に8隻、1976年に4隻が発注され、1975年には建造が始まりました。しかし、発注されたうちの2隻はギリシャ海軍に売却され、最終的にオランダ海軍には10隻が就役しました。退役は1993年から始まり、2003年には最後の艦が退役しました。退役後は全艦が海外に売却され、ギリシャ海軍やアラブ首長国連邦海軍で再就役することになりました。

準同型艦とその他の関連艦

コルテノール級の潜在的な拡張版として、ヤコブ・ファン・ヘームスケルク級フリゲートが存在します。これは、防空能力を高めるためにターター・システムが搭載されており、2隻が建造されました。

このように、コルテノール級フリゲートはオランダ海軍の重要な一翼を担った艦級であり、今なおその設計思想や装備が評価されています。

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