コルネリア・アフリカナ

コルネリア・スキピオニス・アフリカナ

コルネリア・スキピオニス・アフリカナ（紀元前190年 - 紀元前100年）は、第二次ポエニ戦争の英雄、スキピオ・アフリカヌスの娘として生まれ、グラックス兄弟の母として歴史に名を残す古代ローマの女性です。彼女は「ローマの女の鑑」と称えられ、その生涯は後世の人々に感銘を与え続けています。

生涯

コルネリアは、幼少の頃に父スキピオ・アフリカヌスを助けたティベリウス・センプロニウス・グラックス・マイヨルと結婚しました。結婚当初、コルネリアはまだ幼い少女でしたが、紀元前172年、18歳の時に45歳のティベリウスと正式に結婚しました。年齢差のある結婚ではありましたが、二人の夫婦生活は幸福に満ちたものだったと伝えられています。コルネリアは12人の子供を産みましたが、成人したのはティベリウス、ガイウス、そしてスキピオ・アエミリアヌスの妻となったセンプロニアの3人だけでした。

紀元前154年に夫ティベリウスが亡くなると、コルネリアは名門スキピオ家の出身であり、英雄スキピオ・アフリカヌスの娘であったため、多くの再婚話が舞い込みました。中には、プトレマイオス朝の王から王妃として迎えたいという申し出もあったほどです。しかし、コルネリアはこれらの申し出を全て断り、息子であるティベリウスとガイウスの教育に専念することを決意しました。彼女は息子たちに最高の教育を受けさせ、政治家としての才能を開花させようと尽力しました。

グラックス兄弟が相次いで非業の死を遂げた後も、コルネリアは賢母として人々の尊敬を集め続けました。彼女の知性と品格、そして逆境に立ち向かう強い意志は、多くの人々の模範となりました。紀元前100年にコルネリアが亡くなると、その功績を讃えて彼女の像が建立されました。残念ながら、その像は現存していませんが、土台のみが残されており、彼女の存在を今に伝えています。

家族構成

父: スキピオ・アフリカヌス
夫: ティベリウス・センプロニウス・グラックス・マイヨル
息子: ティベリウス・グラックス
息子: ガイウス・グラックス
娘: センプロニア（スキピオ・アエミリアヌスの妻）

関連事項

コルネリア (小惑星): コルネリア・アフリカナにちなんで命名された小惑星。

コルネリア・スキピオニス・アフリカナは、単に英雄の娘、あるいはグラックス兄弟の母というだけでなく、一人の女性として、また母親として、強い意志と知性を持って生きた人物でした。彼女の生き方は、現代においても私たちに多くの示唆を与えてくれます。

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