コントラ

コントラとは

コントラ（スペイン語: contra）は、中米ニカラグアにおいて、アメリカ合衆国の支援を受けた親米反政府民兵組織を指します。この名称は、スペイン語で「-に対する」という意味の接頭辞に由来し、英語の「counter」に相当します。コントラの名が広く知られるようになったのは、1979年にサンディニスタ革命が起き、サンディニスタ民族解放戦線（FSLN）が政権を掌握した際のことで、これに反発して活動を開始しました。

組織の成り立ち

コントラは主に三つの大きな派閥から構成されていました。最も早く形成されたのは、旧ソモサ軍を主体とした「ニカラグア民主軍（FDN）」であり、ホンジュラスを拠点に越境攻撃を行いました。この部隊は数百人からスタートし、アメリカからの支援を受けながら最大で15,000人に達しました。彼らはパナマ国軍やアルゼンチン陸軍、イスラエル国防軍からの訓練を受け、ホンジュラス軍やアメリカ軍とも連携を取りました。

次に、元FSLN司令官エデン・パストラが率いた「民主革命同盟（ARDE）」があり、軍事拠点はコスタリカ周辺にありました。兵力は約2000人から3000人でした。最後に、カリブ海岸のミスキート族やスモ族、ラマ族といった先住民を主体にした「MISURASATA」がありましたが、1984年にはサンディニスタ政権による自治権の承認を受け、1985年には停戦に至りました。

アメリカからの支援

コントラへのアメリカの支援の背景として、当時のレーガン政権はニカラグアのサンディニスタ政権に対抗するためにコントラを「自由の戦士」と称賛し、積極的に資金と物資を提供しました。特に、1985年にはニカラグア野党連合（UNO）が結成され、その後もコントラの活動を支援し続けました。しかし、1986年に発覚したイラン・コントラ事件によって、支援が難しくなりました。

その後、統一教会の教祖・文鮮明が関わった「ワシントン・タイムズ」がコントラに対し1400万ドルの支援を申し出るなど、経済的援助が続きました。1988年にはコスタリカの仲介により停戦合意が成立し、この合意を受けて1990年には選挙が行われました。その結果、国民野党連合のビオレタ・チャモロが当選し、新たな政権が誕生しました。

遺産と影響

コントラ解散後も、若干の元兵士が「レコントラ」として抵抗運動を続け、一時的に武装反乱を起こすこともありましたが、多くは武装解除に応じました。このようなコントラの活動は、ニカラグアの政治に大きな影響を及ぼし、今なおその背景や問題は議論の対象となっています。

関連項目

• - イラン・コントラ事件
• - バリー・シール/アメリカをはめた男

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