コンドライト

コンドライトについて

コンドライト（英: chondrite）は、宇宙から地球に落下する石質隕石の一種で、主にケイ酸塩鉱物から構成されています。特に特徴的なのは、コンドルールと呼ばれる小さな球状の構造を持つことです。コンドルールが見られないタイプでも、CIコンドライトのようにコンドルールのある隕石に似た化学組成を持つものが含まれ、広い範囲で分類されています。

起源

コンドライトの起源は、熱的分化を受けていない母天体に由来しています。つまり、形成時に強い熱を経験していないため、初期の宇宙物質を反映していると考えられています。しかし、全く熱の影響を受けていないわけではなく、多少の熱変性を受けたコンドライトも存在します。これらは主に太陽系の形成過程に由来する熱変成と解釈されています。

分類

コンドライトは、化学的および岩石学的な観点から分類されます。たとえば、「L4」とは、化学的にはLに属し、岩石学的には4にカテゴライズされることを示しています。コンドライトの岩石学的分類は、コンドルール顕著さに基づいて1から6（時には7）に分けられます。

1はコンドルールが見られないタイプで、2はコンドルールがあっても少ないもの、3からは豊富になります。5以上になるとコンドルールは次第に不鮮明になり、これが熱変成の影響を反映しているとされています。

• - 1: コンドルールがない
• - 2: 稀に存在する
• - 3: 豊富に存在する
• - 5以降: 不明瞭になる

このように、分類は熱変成の度合いに基づいています。具体的には、1から3が熱変成を受けていないとされ、4からは強い熱変成が反映されています。

化学的な分類については、大きくエンスタタイト・コンドライト、普通コンドライト、炭素質コンドライトに分けられます。さらに、新たにカカンガリ・コンドライトやルムルティアイト・コンドライトといった分類が提案されています。

普通コンドライト

普通コンドライト（ordinary chondrite, OC）は、最も一般的な隕石として知られています。このタイプは、金属鉄の含有量に基づいてH、L、LL（アンホテライト）に細かく分けられます。岩石学的には3から6に分類され、熱変成の度合いによる特性が見られます。

炭素質コンドライト

炭素質コンドライトは、熱変成がほとんど見られないことが特徴で、始原的な母天体に由来すると考えられます。このタイプの岩石学的分類は1から6で幅広く、特に1から2は熱変性が少なく、炭素質コンドライトとして特定されます。これらは炭素含有比が高く、カーバイドや有機化合物を含み、さらに蛇紋岩といった水分を含む鉱物が見られ、非常に脆くなります。

エンスタタイト・コンドライト

エンスタタイト・コンドライトは酸素含有率が低く、主にエンスタタイト（純粋なマグネシウム輝石）と金属鉄から構成されています。岩石学的には3から6に分類され、普通コンドライトと同様にEHおよびELにも分けられます。

ルムルティアイト・コンドライト

ルムルティアイト・コンドライトは、逆に酸素含有量が豊富で、鉄のほとんどが酸化されています。このグループも岩石学的には3から6に分類されます。

コンドライト研究は、宇宙の成り立ちや物質の進化を理解するために重要な役割を果たしており、隕石の多様性を知ることが可能です。

もう一度検索