コント55号 世紀の大弱点

コント55号 世紀の大弱点

『コント55号 世紀の大弱点』（コントごじゅうごごう せいきのだいじゃくてん）は、1968年（昭和43年）に公開された日本の長篇劇映画です。監督は和田嘉訓が務め、東宝が製作・配給を担当しました。本作は、当時人気が急上昇していたお笑いコンビ、コント55号（萩本欽一・坂上二郎）にとって、記念すべき映画初主演作となりました。

製作背景と概要

映画が公開された1968年は、コント55号が大きなブレイクを果たした時期です。同年4月1日に放送を開始したフジテレビのバラエティ番組『お昼のゴールデンショー』に、司会の前田武彦と共にレギュラー出演を開始し、その独特のスタイルで人気を獲得していきました。本作は、まさにその勢いを捉え、彼らを主役に据えて製作されました。

物語はコント55号の二人が織りなすコメディが中心となります。作中には、彼らの人気を支えた『お昼のゴールデンショー』の司会者である前田武彦が評論家役で出演しているほか、著名な写真家である大竹省二自身が写真家役で、そして日本の演劇界・映画界で活躍した大女優、森光子が文学者役として特別出演しており、作品に彩りを加えています。

公開とシリーズ化

本作は1968年11月2日に全国で封切られました。公開時には、植木等主演で人気を博していた東宝「日本一シリーズ」の第6作にあたる『日本一の裏切り男』と同時上映されるという、当時のヒットメーカーたちの顔合わせとなりました。

『コント55号 世紀の大弱点』の成功を受け、東宝はコント55号を主演とするシリーズを展開していきます。次作となる福田純監督の『コント55号 人類の大弱点』は、約9か月の期間を経て、1969年（昭和44年）8月13日に公開されました。

作品データ

製作：東宝、浅井企画
上映時間：87分
フォーマット：カラー映画、東宝スコープ（画面アスペクト比 2.35:1）、標準的な映画上映速度（24fps）、モノラル録音
映倫番号：15574（新映倫による一般映画指定）

スタッフ

製作：安達英三朗
企画：浅井良三
監督：和田嘉訓
脚本：松木ひろし
撮影：中井朝一
照明：山口虎男
美術：加藤雅俊
録音：吉沢昭一
スチル：田中一清
編集：岩下広一
整音：小沢渡
音楽：山本直純

キャスト

萩本欽一（矢島周作）
坂上二郎（北川洋太）
水垣洋子（須永糸美）
真理アンヌ（小森麻子）
三浦恭子（青砥小夜子）
天本英世（沢田）
上田吉二郎（赤石銅幹）
由利徹（竹村直彦）
内田裕也（鹿山久夫）
宮地晴子（チロルのマダム）
藤あきみ（秘書の町子）
曽我町子（赤石直子）
田中純一（管理人）
大竹省二（写真家）
前田武彦（評論家）
森光子（文学者）

本作は、コント55号という稀代のお笑いコンビの勢いを捉え、当時の大衆文化を反映した作品として、日本映画史の一頁を飾る一本と言えるでしょう。

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