コンベア240

コンベア240（Convair 240）について

コンベア240は、1947年からアメリカのコンベア社によって製造された双発旅客機です。共通の設計から派生したモデルとして、胴体が延長されたコンベア340やコンベア440が存在し、さらにこれらをターボプロップエンジン化したモデルも用意されていますが、本記事では主にコンベア240に焦点を当てます。

開発の背景

第二次世界大戦前に広く使われたダグラス DC-3の後継機としての需要を見越し、コンベア社は1945年に新しい中型旅客機の開発に着手しました。アメリカン航空のニーズに応じて、圧力式キャビンを備えた中近距離用の機体が求められていました。当初は「モデル110」という30人乗りの双発旅客機が設計され、1946年7月に初飛行を果たしました。しかし、その後アメリカン航空の要求に応じてより大型の40人乗り機体へと計画が変更され、「モデル240」という名称で新たに開発が開始されました。

就航と特徴

1947年3月16日に初飛行したコンベア240は、翌年の1948年に生産初号機が引き渡され、時代のニーズに応じた旅客機として迅速に各航空会社へ導入されました。ウエスタン航空やコンチネンタル航空を始め、世界各国の航空会社に176機が納入されています。日本でも1950年代に17機が運用され、特に北日本航空や富士航空、日東航空などで見られました。

スペック

• - 全長: 22.80m
• - 全幅: 28.00m
• - 全高: 8.20m
• - 翼面積: 75.9 m²
• - 空虚重量: 11,540kg
• - 積載重量: 18,370kg
• - 最大離陸重量: 19,278kg
• - 最大速度: 315 mph (507 km/h)
• - 巡航速度: 280 mph (450 km/h)
• - 操縦乗員: 2 - 3名
• - 乗客数: 40
• - エンジン: プラット・アンド・ホイットニー R-2800空冷二重星形18気筒レシプロエンジン（出力2,400hp）×2
• - 最大積載航続距離: 1,200マイル (1,900 km)
• - 実用上昇限度: 16,000 ft (4,900 m)

日本での運用

日本では1950年代、ローカル路線を中心にコンベア240が運用されました。現在は、退役後にのみ1機が静態保存されています。この機体はかつて東亜航空によって運航され、中古飛行機として各地を転々としていましたが、今は高架台に載せられ、静態保存されています。

軍用モデル

コンベア240はアメリカ空軍でも利用され、将官や戦傷者の輸送に用いられる「C-131サマリタン」として運用されていました。この後継機はDC-9で、「T-29」という機上作業練習機型も採用されています。

航空史の中での位置づけ

コンベア240は、1960年の大統領選挙でジョン・F・ケネディが専用機として利用したことで知られています。この機体は現在、航空宇宙博物館で保存されています。また、1970年代にはロックバンド「レーナード・スキナード」の事故により悲劇的な名を持つ機体としても記憶されています。パイロットエラーによる燃料切れで墜落し、数名の命が失われました。

コンベア240は、多様な運用を経て航空史に刻まれた機体であり、さまざまな場面でその存在感を示しています。

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