コンラート (ロートリンゲン公)

ロートリンゲン大公コンラート（赤公）の生涯

コンラート（Konrad der Rote, 922年頃 - 955年8月10日）は、10世紀のロートリンゲン大公であり、ヴォルムスガウ伯でもありました。ザーリアー朝の始祖であるコンラート2世は彼の曾孫にあたります。彼は「赤公」または「赤毛公」（der Rote）とも呼ばれていました。

生涯

941年、コンラートは父の跡を継いでヴォルムスガウ伯となり、神聖ローマ皇帝オットー1世に忠実に仕えました。944年には、オットー1世によってロートリンゲン大公に任じられ、947年にはオットー1世の娘リウトガルトと結婚し、関係を強化しました。

しかし、951年にオットー1世がイタリア遠征を行った後、コンラートはイタリア王ベレンガーリオ2世をオットー1世にとりなしました。ベレンガーリオ父子はイタリア王位を追認されましたが、この交渉を仕切ったコンラートは、オットー1世の弟であるバイエルン大公ハインリヒ1世に横槍を入れられ、面目を潰される形となりました。

コンラートの妻リウトガルトの同母兄にあたるシュヴァーベン大公リウドルフは、父オットー1世の再婚やベレンガーリオ2世への処遇に不満を抱いていました。コンラートは義兄リウドルフに同調し、953年にリウドルフと共にオットー1世に反旗を翻しました。この結果、コンラートはロートリンゲン大公位を剥奪され、その地位はオットー1世とハインリヒ1世の弟であるケルン大司教ブルーノに与えられました。その後、954年6月の帝国会議において、コンラートはオットー1世と和解しました。

955年、ハンガリー人がバイエルンに侵攻した際、コンラートは第四軍のフランケン軍団を指揮して戦いました。同年8月10日、レヒフェルトの戦いにおいてコンラートは勇敢に戦いましたが、自身は戦死しました。オットー1世はその死を深く悼み、彼の遺体をヴォルムスに運び、手厚く葬りました。

子女

947年、神聖ローマ皇帝オットー1世の娘リウトガルトと結婚しました。

オットー1世（948年頃 - 1004年） - ケルンテン大公（在位：978年 - 985年、995年 - 1004年）

参考文献

成瀬治 他 編 『世界歴史大系 ドイツ史 1』 山川出版社、1997年
瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年
コルヴァイのヴィドゥキント、三佐川亮宏 訳 『ザクセン人の事績』 知泉書館、2017年

もう一度検索