コードページ437

コードページ437：IBM PC初期の文字セット

コードページ437（CP437）は、オリジナルのIBM PCで使われた文字セットであり、PC-8やDOS Latin USとしても知られています。この文字セットは、ASCIIコードに加えて、アクセント付き文字、ギリシャ文字、記号、罫線などの拡張文字を含んでいます。特に、初期のEGAやVGAグラフィックカードのフォントとして利用され、PC起動時に表示されるテキストに用いられていました。

ディスプレイアダプタと文字表示

IBM PCでは、MDA（モノクロディスプレイアダプタ）では9×14ピクセルのフォント、CGA（カラーグラフィックスアダプタ）では8×8ピクセルのフォントとして、コードページ437の文字が利用されました。これらのアダプタでは、各文字に8ビットのコードポイントが割り当てられ、256通りの文字を表示できました。ASCIIコードで制御文字として予約されている範囲（0-31）も、表示可能な文字としてROMに割り当てられました。

初期のPCでは、東ヨーロッパ向けの機種で異なる文字セットが使用されることもあり、ジャンパやCMOSの設定で切り替え可能でした。これらの文字セットは、現地語表示を可能にしつつ、罫線文字の共有などにより、コードページ437との互換性を保つように設計されました。

Altコード

Altキーを押しながらテンキーで入力するAltコードは、コードページ437や他のDOSコードページに基づいています。Windowsでは、後にUnicodeベースの文字セットに移行しましたが、Altコードによる入力は保持されています。テンキー入力前に0を入力することで、CP1252などの文字セットのコードを入力することも可能です。

文字セットの詳細

コードページ437では、256個の8ビットコードすべてに文字や記号が割り当てられています。0から31のコードと127番のコードは、制御文字として扱われることもあり、一部のAPIでは表示されないことがあります。一方、32から126のコードは、ASCII印字可能文字に相当します。

128から175のコードは、国際的なテキスト文字が収録されています。176から223のコードは、罫線素片やブロック文字です。特に、罫線文字は、視覚的な連続性を高めるため、右側の線や塗りつぶしが可能な文字が配置されています。IBM PCのMDAでは、これらの文字が8ピクセルの幅で格納され、画面上では9ピクセルごとに表示されることで、隙間をなくしていました。

224から255のコードは、数学記号やギリシャ文字が割り当てられています。積分記号の断片や、いくつかの異なる記号が含まれており、数学的な表現をサポートしています。

Windowsのフォントでは、WGL4セットの一部として、これらの文字に対応するUnicodeインデックスが提供されています。MS LinedrawというWindowsフォントは、コードページ437の文字を完全にサポートしており、DOS環境のテキスト表示をWindowsで再現できます。

Unicodeへの変換における注意点

コードページ437の一部の文字は、Unicodeに一対一で対応しないことがあります。正しい対応は文脈に依存するため、注意が必要です。

歴史

ビル・ゲイツは、コードページ437の文字セットがワングのワードプロセッサから影響を受けたと述べています。また、この文字セットは、IBM PCのBIOS開発者らによって、飛行機内での会議中に決定されたという逸話も残っています。

文字セットの構成

0-31, 127: 装飾記号
32-126: ASCII印字可能文字
128-175: 国際的なテキスト文字
176-223: 罫線素片とブロック文字
224-255: 数学記号とギリシャ文字

国際化の課題

コードページ437には、多くの西洋言語で重要な文字が欠けています。特に、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語、アイスランド語、デンマーク語などの言語に必要なアクセント付き文字が不足しています。また、ギリシャ語の文字も一部に限られています。

これらの問題を解決するために、後発のDOS用文字セット（コードページ850、850、737など）では、国際的な使用に適した文字を追加し、罫線文字の互換性を部分的に残しています。UnicodeやWGL4のような文字セットでは、コードページ437の文字をカバーしており、現代のシステムでも利用可能です。

関連項目

Altコード
ANSI
ASCII
セミグラフィック
Atari ST文字セット (コードページ437からの派生)

参考文献

IBM Code Page 437 reference chart
IBM PC memory-mapped video graphics to Unicode

外部リンク

4?topic=codes-437-character-set'>IBM Code Page 437 reference chart
012/tn012-2.html'>IBM PC memory-mapped video graphics to Unicode

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