コーヒー・リキュール

コーヒーリキュールとは

コーヒーリキュールは、その名の通り、コーヒー豆を主原料として作られるリキュールの総称です。リキュールの一種であるため、混成酒にも分類され、糖分を一定以上含んでいることが特徴です。バニラなどの他の香味原料が加えられることもありますが、基本的にはコーヒーの風味が主体となります。ただし、「カプチーノ・クリームリキュール」のように、コーヒー豆を使用しつつもクリームリキュールに分類されるものもあるため、注意が必要です。

コーヒーリキュールの概要

市販されているコーヒーリキュールだけでも多種多様な銘柄が存在し、そのベースとなる酒もアイリッシュウイスキー、中性スピリッツ、ブランデー、ラムなど多岐にわたります。また、家庭でも手軽にコーヒーの風味を酒に移すことができ、例えば、お好みの蒸留酒に焙煎したコーヒー豆を漬け込むだけでも、コーヒー風味の混成酒を作ることが可能です。さらに、これに砂糖を加えれば、即席のコーヒーリキュールが完成します。

このような手軽さから、コーヒーリキュールはいつ頃、どこで発祥したのか定かではありません。コーヒー豆と酒がある地域では、自然発生的に作られていた可能性も指摘されています。コーヒーリキュールは、そのまま飲まれるのはもちろん、カクテルの材料や製菓の材料としても利用されています。

代表的なコーヒーリキュールの銘柄

以下に代表的なコーヒーリキュールの銘柄をいくつか紹介します。

アイリッシュ・ベルベット (Irish Velvet)：アイリッシュウイスキーをベースにしたリキュールで、アルコール度数20%、エキス分46%です。
アマヤ (A'maya)：ブランデーをベースにしたリキュールで、アルコール度数26度、エキス分44%です。
エクリッセ (Eclisse)：イタリア産のコーヒーリキュールで、深煎り豆から抽出したエスプレッソを使用した「エクリッセ・エスプレッソ」と、ミルクを加えた「エクリッセ・カプチーノ」の2種類があります。アルコール度数はそれぞれ21度と17度、エキス分は32%と23%です。
カフェット (Caffeto)：サトウキビを原料とする蒸留酒をベースにしたリキュールで、コロンビア産のコーヒー豆を100%使用しています。アルコール度数28度、エキス分48%です。
カルーア (Kahlua)：中性スピリッツをベースにしたリキュールで、世界的に有名な銘柄です。アルコール度数26度、エキス分45%です。
ティア・マリア (Tia Maria)：元々はラムをベースにしていましたが、現在は中性スピリッツをベースにしています。アルコール度数26.5度、エキス分36.8%です。
ボルス・コーヒー (Bols Coffee)：オランダのリキュールブランド「ボルス」シリーズの1つで、コロンビア産コーヒー豆を使用しています。アルコール度数24度、エキス分29%です。
モカンボ・ウィスキー・コーヒー (Mokambo Whisky Coffee)：アイリッシュウイスキーをベースにしたリキュールで、アルコール度数32度、エキス分25%です。

コーヒーリキュールとカクテル

コーヒーリキュールは、様々なカクテルに使用されます。例えば、オーガズム、ブラック・ルシアン、ホワイト・サテンなどは、どのコーヒーリキュールでも美味しく作ることが可能です。一方、カルーアミルクのように、特定の銘柄を指定するカクテルも存在します。また、ベルベットハンマーやジャマイカジョーのように、ティア・マリアが推奨されるカクテルもあります。

コーヒーリキュールの利用

コーヒーリキュールは、そのままでも美味しく味わえますが、カクテルだけでなく、製菓材料としても活用できます。コーヒーの風味を活かした、様々な楽しみ方が可能です。

参考資料

福西 英三 『リキュールブック』 柴田書店 1997年7月1日発行 ISBN 4-388-05803-3
成美堂出版 編集 『リキュールとカクテルの事典』 成美堂出版 2001年8月20日発行 ISBN 4-415-00835-6

関連項目

コーヒー
リキュール
* 混成酒

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