コーラック

コーラックについて

コーラックは、大正製薬が製造販売している便秘薬のブランドです。「ピンクの小粒」というキャッチフレーズで広く知られています。重度の便秘にも効果があるとされ、薬局やドラッグストアで手軽に購入できるため、多くの人に利用されています。特に女性の常用者が多い傾向にあります。

歴史

コーラックの歴史は、アメリカの製薬会社リチャードソン・ヴイックス社に始まりました。日本では、同社の日本法人である日本ヴイックスが販売していました。1985年にリチャードソン・ヴイックス社がプロクター・アンド・ギャンブル（P&G）の傘下となり、1988年には日本ヴィックスがP&Gヘルスケアに社名変更しました。これにより、コーラックはP&Gの製品として販売されることになりました。ただし、製造はドイツのベーリンガーインゲルハイムが行っていました。

その後、1994年にP&Gヘルスケアとマックスファクターが統合され、販売元がマックスファクターに変更されました。1997年には、P&Gが事業再編を行い、日本におけるコーラックの全事業を大正製薬に売却し、現在に至っています。なお、日本以外のコーラック事業は引き続きP&Gが担当しています。ちなみに、P&Gは2002年に大正製薬へ日本におけるヴイックスの事業も譲渡しています。

製品一覧

2017年4月に全製品のパッケージがリニューアルされ、多くの製品が縦型パッケージとなりました。

現在販売されている製品

コーラック【第2類医薬品】
ビサコジルのみを配合した単味剤です。1988年に400錠入りが追加され、2000年には容量アップと価格改定が行われました。後に350錠瓶入りも発売されています。
コーラックII【第2類医薬品】
2004年発売。ビサコジルに加え、DSS（ジオクチルソジウムスルホサクシネート）を配合。服用量を調節して使用します。当初は15歳以上が対象でしたが、2009年から11歳以上に引き下げられました。
コーラックファースト【第2類医薬品】
2013年発売。ビサコジルの配合量をコーラックIIの半分にした製品で、同様に服用量を調整します。11歳から服用可能で、ピンクのドット柄のパッケージが特徴です。
コーラック坐薬タイプ【第3類医薬品】
2003年発売。炭酸水素ナトリウムと無水リン酸二水素ナトリウムを配合した坐薬です。12歳から使用可能で、パッケージはピンク色に統一されています。（製造販売元：京都薬品工業）
コーラックMg【第3類医薬品】
2019年発売。非刺激性成分の酸化マグネシウムを配合。5歳以上が対象で、水色のパッケージが特徴です。（製造販売元：協和化学工業）
コーラックハーブ【指定第2類医薬品】
2000年発売。センナと甘草の生薬由来成分を配合。P&G時代は「コーラックS」という名称でした。（製造販売元：明治薬品）
コーラックファイバーplus【第3類医薬品】
2020年発売。食物繊維のプランタゴ・オバタ種皮と酸化マグネシウムを配合した、水に溶かして飲むタイプの製品です。3歳以上が対象です。（製造販売元:新新薬品工業）
コーラックファイバーs（販売名：爽快生活スマートプラン）【指定医薬部外品】
2022年発売。食物繊維と腸の働きを整える成分を配合した顆粒タイプ。コーラックブランド初の指定医薬部外品で、コンビニエンスストアでも購入可能です。（製造販売元:日本製薬工業）

過去に販売されていた製品

コーラックソフト【第2類医薬品】
2000年発売。ピコスルファートナトリウム水和物を配合。2015年に製造終了し、コーラックファーストに引き継がれました。
コーラックファイバー【指定第2類医薬品】
2004年発売。食物繊維と生薬を配合したココア味の顆粒タイプ。2017年にパッケージがリニューアルされました。

効能と注意点

コーラック（ノーマルタイプ）は、峻下剤と呼ばれるタイプの便秘薬で、強力な効果があります。主成分はビサコジルで、腸を刺激して排便を促します。初めて使用する場合は、少量から試すことが推奨されます。強力な効果がある一方で、腹痛や下痢などの副作用を伴うことがあります。また、常用すると効果が出にくくなる、依存性が生じる可能性があるため、注意が必要です。

特に、下剤を乱用すると、下剤依存症に陥る可能性があります。これは、摂食障害を抱える人がダイエット目的で使用するケースも見られます。現在のコーラックシリーズでは、ビサコジルの配合量を調整した製品や、非刺激性の成分を使用した製品も展開されており、これらのリスクを軽減できるよう配慮されています。

CM出演者

現在

現在、コーラックのCM出演者はいません。

過去

大正製薬時代
コーラックファイバー - 飯島直子
コーラックハーブ - 小池栄子
コーラック - コーラッコ（ラッコのキャラクター）
コーラック - デナーシカ（シカのキャラクター、声：相沢舞）


日本ヴイックス時代とP&G時代は、有名タレントの起用は少なかったものの、1987年頃には、声優の小山茉美さんがモデル女性の吹き替えとして起用されていました。

その他

絵柄

1988年までは、ピンクの円の中にビサコジルの構造図が描かれていましたが、1989年以降は女性が腕を上げる姿がモチーフとなっています。2024年2月には、あさみみちゃんデザインの限定パッケージも発売されました。

都市伝説

落語家の三遊亭好楽さんがピンクの着物を着ているのは、コーラックに肖ったものだという都市伝説がありますが、これは事実ではありません。

訴訟問題

1994年、P&Gは、皇漢堂製薬の『ビューラック』のロゴがコーラックに酷似しているとして提訴しましたが、後に和解しています。

関連情報

P&G製品一覧
P&Gプレステージ（旧販売元）
大正製薬（現在の販売元）
便秘薬
旧P&Gの商品関連（ヴイックス、カルシックス、ミューズ、クレアラシル、ミルトン、アテント、プリングルズ、マックスファクター）

出典

* 大正製薬 コーラック公式サイト


この情報が、コーラックについて知りたい方々のお役に立てば幸いです。

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