コーヴィナ (潜水艦)

コーヴィナ (USS Corvina, SS-226)

コーヴィナ（USS Corvina, SS-226）は、アメリカ海軍に所属する潜水艦で、ガトー級に分類される艦艇です。この艦の名前は、食用とされるニベ科の魚から名づけられています。

艦歴

コーヴィナは、コネチカット州グロトンにあるエレクトリック・ボート社において起工されました。進水は1943年5月9日で、ラルフ・W・クリスティー少将の夫人によって行われました。その後、同年の8月6日にロデリック・S・ルーニー中佐が艦長として艦に着任し、しばらくしてから任務に就きました。コーヴィナは1943年9月18日にコネチカット州ニューロンドンを出港し、同年10月14日に真珠湾に到着しました。

最初で最後の哨戒任務

1943年11月4日、コーヴィナは最初の哨戒任務としてカロリン諸島方面に向かいました。11月6日には、ジョンストン島で燃料を補給しましたが、その後連絡が途絶えました。コーヴィナは非常に重要な任務に従事しており、警備が厳重な日本の拠点であるトラック諸島に近づき、哨戒活動を行うことが求められていました。また、ギルバート諸島周辺に近づくアメリカ軍に脅威を与える日本軍の出撃を迎撃する役割も持っていました。

この時期、トラック諸島周辺には同様の監視任務に就いていた潜水艦が複数あり、コーヴィナはトラック諸島の南側が哨区として割り当てられていました。周辺の潜水艦には、日本潜水艦に対する警報が発令されており、それらは互いに通信を取り合っていました。コーヴィナが出港して以降、状況は緊迫していきましたが、11月の末になってもコーヴィナからの応答はありませんでした。これにより、コーヴィナとその乗組員82名が行方不明となったことは、1944年3月14日に正式に発表されることになりました。

撃沈の経緯

1943年11月13日、ラバウルから出港した日本の伊号第一七六潜水艦（伊176）は、当初ソロモン諸島方面の輸送任務に就いていましたが、爆雷攻撃を受けての修理のために北上していました。11月16日時点で、伊176はトラック諸島の南東海面を航行している際に、疑わしき影を発見します。この状況を受けて、伊176は潜航し、目標に近づいていきました。

11月17日午前0時12分、伊176は目標に対して3本の魚雷を発射し、そのうち2本が命中しました。目標はコーヴィナであり、この瞬間、コーヴィナは沈没してしまいました。コーヴィナは日本の潜水艦に撃沈された唯一のアメリカ潜水艦とされ、歴史の中で重要な意味を持つ出来事となりました。沈没地点は北緯05度05分、東経151度10分と記録されています。

伊176はその後1944年5月16日にアメリカの駆逐艦に襲撃され、撃沈されたことが記録されています。コーヴィナの戦歴は短いものの、その顛末は多くの人々に記憶されることとなりました。

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