ゴーサントオ

ゴーサントオ（53・10）とは

ゴーサントオ（53・10）とは、1978年（昭和53年）10月2日に日本国有鉄道（国鉄）が実施した大規模な白紙ダイヤ改正の、鉄道関係者や鉄道ファンの間で使用される通称です。

ダイヤ改正の背景

1975年（昭和50年）の山陽新[[幹線]]博多開業後、国鉄の東京以西の輸送は改善されましたが、累積赤字は深刻化の一途をたどっていました。合理化を図ろうとする国鉄に対し、当時の労使関係は極度に悪化しており、国労・動労によるストライキが頻発。国民の信用を損ないました。

打開策として国鉄は運賃・料金の値上げを断行しますが、それがさらなる乗客離れを招き、特に三大都市圏や長距離輸送において、私鉄、航空路線、高速バス、マイカーへと利用者がシフトしました。オイルショックによる経済状況の悪化も重なり、国鉄の経営はさらに悪化しました。

このような状況下で実施されたのが、ゴーサントオダイヤ改正です。増収促進と支出抑制を目的とした施策が中心となり、列車系統の見直しが各所で行われました。

ダイヤ改正の内容

優等列車の動向

急行列車を特急列車に格上げすることで増収を図り、常磐線では特急「ひたち」を増発する一方で、同量の急行を削減しました。全国的には特急が36本増発された反面、急行は57本削減されました。ただし、利用客が減少していた山陽本線の寝台列車は削減されています。

また、昼行の特急列車には原則として自由席が連結されるようになり、寝台列車を除いて全席指定の定期特急はなくなりました。紀勢本線の電化完成に伴い、特急「くろしお」には381系電車が投入されています。

新幹線

新幹線においても利用者の減少が予想以上に大きかったため、当初予定されていた「ひかり」の増発は見送られました。国労は騒音、振動問題から新幹線の最高速度を制限するよう提言しましたが、当局は受け入れませんでした。

東北本線・高崎線の規格ダイヤ化

東北・上越新[[幹線]]が開通する前の東北本線・高崎線では、特急・急行・普通・貨物列車が過密状態でした。そこで、規格ダイヤを見直し、特急列車を増発しました。ただし、運転速度は若干低下し、所要時間が延びる結果となりました。

列車愛称番号の方式変更

在来線でも新幹線と同様に「下り奇数・上り偶数」の列車番号方式を採用し、座席指定券の誤発券防止や誤乗防止に役立てました。

特急電車先頭愛称表示のイラスト化

特急列車の先頭に表示する列車愛称にイラストが用いられるようになり、子供たちに好評を博しました。

都市圏輸送

武蔵野線新松戸 - 西船橋間が開業しました。南武線では快速が廃止され、阪和線では新快速が快速に統合されました。

貨物列車の大幅削減

高速道路網の整備、トラック輸送の発達、労使関係悪化などにより、国鉄の貨物取扱量は急速に低下していました。そのため、貨物列車の大幅な削減が行われました。

国鉄は貨物輸送の見直しを行い、近代化計画を策定しますが、労組は人員削減に反発。協議の結果、1978年10月のダイヤ改正では、貨物列車が大幅に削減されました。

しかし、輸送量は計画を大きく下回り、運賃値上げにもかかわらず収入が減少するという事態に陥りました。以降、貨物輸送の削減傾向が定着することになります。

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