ゴーリキー・パーク

『ゴーリキー・パーク』(原題:Gorky Park)は、1983年に公開されたアメリカ合衆国のサスペンス映画です。マーティン・クルーズ・スミスによる同名ベストセラー小説を原作とし、マイケル・アプテッド監督、ウィリアム・ハート主演という豪華な布陣で贈る、緊張感あふれる一作となっています。

舞台は、当時のソ連、モスクワ。映画のタイトルにもなっているゴーリキー公園で、顔と指紋が切り取られた3体の遺体が発見されるという衝撃的な事件から物語は始まります。モスクワ市警察のアルカージー・レンコ大尉(ウィリアム・ハート)は、この不可解な殺人事件の捜査に乗り出しますが、その過程でソ連の秘密警察であるKGBが事件に関与していることが明らかになり、事態は思わぬ方向へと転がり始めます。

捜査は難航し、レンコ大尉は、アメリカ人実業家やニューヨーク市警察の刑事といった、予想だにしない人物たちと関わることになります。事件は、単なる殺人事件ではなく、国際的な陰謀にまで発展していく様は、見る者の心を掴んで離しません。

興味深いのは、この映画の撮影地です。本来の舞台であるモスクワでの撮影許可が下りなかったため、フィンランドのヘルシンキとスウェーデンのストックホルムで撮影が行われました。そのため、映画全体からは、ソ連独特の雰囲気を感じつつも、どこか異国情緒が漂う、独特の雰囲気を楽しむことができます。

日本では劇場公開されず、1990年3月11日にテレビ朝日系列の『日曜洋画劇場』で「レッド・コップ/ゴーリキー・パーク殺人事件」というタイトルで放映されました。そのため、多くの日本人はテレビを通してこの作品に触れたことでしょう。

キャストには、ウィリアム・ハートの他、リー・マーヴィン、ブライアン・デネヒー、ジョアンナ・パクラといった実力派俳優が名を連ねています。日本語吹き替え版も豪華な顔ぶれで、堀勝之祐さん、小林清志さん、石田太郎さんなど、名優たちがそれぞれのキャラクターに命を吹き込んでいます。

『ゴーリキー・パーク』は、冷戦時代の緊張感、国際的な陰謀、そして、人間の業が複雑に絡み合った、見応えのあるサスペンス映画です。ソ連という閉鎖的な社会の中で、正義を追い求めるレンコ大尉の姿は、観る者に深い印象を与えます。事件の真相、そして、その背後に潜む闇とは一体何か？最後まで目が離せない、手に汗握る展開が、あなたを待ち受けています。劇場未公開ながらも、高い評価を受けている本作を、ぜひ一度ご覧になってみてください。

なお、この映画に関する詳細は、allcinema、AllMovie、IMDbなどのウェブサイトで確認することができます。

もう一度検索