ゴールデン歌謡速報

『ゴールデン歌謡速報』は、1970年代前半にフジテレビ系列で親しまれた歌謡バラエティ番組です。1971年5月14日に放送を開始し、1975年3月28日の最終回まで、毎週金曜日の夜にお茶の間に音楽と笑いを届けました。前身番組である『今週のヒット速報』の構成を踏襲しつつ、単なるヒットチャート紹介番組に留まらない、独自のエンターテイメント性を追求した点が特徴です。

番組内容

この番組の根幹には、その時点で注目されていた最新のヒット歌謡曲を紹介するという目的がありました。しかし、『ゴールデン歌謡速報』が従来の音楽番組と一線を画していたのは、楽曲の合間に挿入されるバラエティ豊かな企画の数々です。単に歌を披露するだけでなく、ゲストとして招かれた歌手たちの普段は見せない一面に光を当てたり、時には模擬裁判といったユニークな設定を設け、ユーモアを交えながら彼らの意外なエピソードを引き出したりしました。これにより、視聴者は音楽だけでなく、出演者たちの人間味や面白いやり取りを楽しむことができ、番組全体に明るい雰囲気が醸し出されました。

番組を彩る演出の一つとして、提供クレジットの読み上げ方にも工夫が見られました。司会者たちがリズムに合わせて掛け合い形式でスポンサー名を読み上げるというスタイルは、当時の視聴者にとって印象的なものでした。また、番組中期からは準レギュラーとして登場していた殿さまキングスが、このリズミカルな掛け合いに合わせてダンスを披露するという演出も加わり、番組にさらなるアクセントを加えていました。

放送時間の変遷

番組の放送時間には、期間によって若干の変更がありました。

1971年5月14日 - 1973年9月: 毎週金曜日 20時00分から20時56分までの56分間。
1973年10月 - 1975年3月28日: 毎週金曜日 20時00分から20時55分までの55分間。この1分間の短縮は、月曜日から土曜日まで放送されるミニニュース番組『FNNニュース』が開始されたことによるものです。

いずれの期間も、日本標準時（JST）での放送時間となります。

司会者

番組の進行は、時期によって担当者が交代しています。

前期（1971年5月 - 1972年3月）: 夏木陽介と小林大輔が総合司会を務めました。これに加え、佐良直美と朝丘雪路が「番組パーソナリティー」として参加し、番組の状況に応じて進行に加わっていました。
後期（1972年4月 - 1975年3月）: 小林大輔が引き続き司会を担当し、新たに井上順と由紀さおりが加わりました。このトリオで最終回まで番組を盛り上げました。

スタッフ

番組制作には、様々な立場のスタッフが携わりました。主なメンバーは以下の通りです。

プロデューサー: 千秋与四夫、熊谷雅弘
演出: 林良三、久保田逸博、王東順
構成: 保富康午、塚田茂、下山啓、河村シゲル

制作協力はフジプロダクションが行い、番組の制作著作はフジテレビ自身が担当しました。

放送局

制作局であるフジテレビをはじめ、多くのフジテレビ系列局で放送されました。基本的に金曜日20時00分からの同時ネットでしたが、一部の系列局や系列外局では時差ネットで放送されるケースもありました。

主な放送局

フジテレビ（制作局）
北海道文化放送
秋田テレビ
山形テレビ
仙台放送
福島テレビ（1974年10月より放送開始）
長野放送
テレビ静岡
富山テレビ
石川テレビ
福井テレビ
東海テレビ
関西テレビ
山陰中央テレビ
岡山放送（時差ネット、土曜12:00 - 12:55）
広島ホームテレビ（当時NETテレビ系列）
テレビ愛媛
テレビ高知（当時TBS系列、時差ネット、土曜14:00 - 14:55）
テレビ西日本
テレビ長崎
テレビ熊本
テレビ宮崎
鹿児島テレビ
* 沖縄テレビ

これらの放送局を通じて、『ゴールデン歌謡速報』は日本全国の視聴者に届けられ、当時の音楽シーンと共に様々なバラエティ企画で楽しませました。

もう一度検索