ゴールドストーン深宇宙通信施設

ゴールドストーン深宇宙通信施設（GDSCC）

ゴールドストーン深宇宙通信施設（Goldstone Deep Space Communications Complex, GDSCC）は、アメリカのカリフォルニア州モハーヴェ砂漠に位置する、重要な地上通信局です。この施設は、NASAのディープスペースネットワークの一部を構成し、宇宙機との通信や追跡を行うために設計されています。運営はITT Corporationが担当しており、ジェット推進研究所（JPL）と密接に連携しています。

歴史と意義

GDSCCは、1958年10月1日に運用を開始し、以来半世紀以上にわたり数々の宇宙ミッションをサポートしてきました。特に、パイオニア深宇宙ステーションを含むことから、さまざまな歴史的な宇宙計画に携わっています。このステーションはアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されており、その重要性を物語っています。

ディープスペースネットワークの役割

ゴールドストーンは、マドリード深宇宙通信施設、キャンベラ深宇宙通信施設と共に、NASAのディープスペースネットワークを形成し、遠方の宇宙探査機との通信を司っています。施設は、特に火星や他の惑星への探査ミッションの間、宇宙機からのデータを受信し、追跡を行うために不可欠な役割を果たします。また、ゴールドストーンのアンテナは、電波望遠鏡としても利用され、天文学的な観測においても重要です。

設備更新と未来の展望

運用開始から50年以上が経過したため、GDSCCでは設備の老朽化が懸念されています。現在、36メートルのアンテナを4基追加し、70メートルのアンテナの代わりとする計画が進行中です。さらに、2025年頃には光通信技術を採用し、火星からのビデオ中継を受信できる設備を整えることを目指しています。これにより、宇宙探査の新たな時代が切り開かれることが期待されています。

ゴールドストーンにまつわる逸話

「Goldstone has the bird」というフレーズが、アメリカ初の人工衛星エクスプローラー1号の周回軌道確認時に使われたとの伝説がありますが、これは誤りです。この時点ではまだゴールドストーンは運用されておらず、実際には「Gold has it!」という表現が使用されていたのです。この「ゴールド」は、Anza-Borrego砂漠のEarthquake Valleyにあった臨時トラッキング施設のコード名でした。

小惑星の命名

また、[小惑星] Goldstoneは、この施設にちなんで名付けられています。ゴールドストーン深宇宙通信施設は、宇宙探査の最前線に立ちながら、その名称が宇宙の別の一部に永遠に刻まれることとなりました。

参考文献およびリンク

• - NASA's Deep Space Network
• - JPL Images of Goldstone
• - 歴史的な火星アンテナの修復に関する記事（Los Angeles Times, 2010年10月3日）

ゴールドストーン深宇宙通信施設は、宇宙の遥か彼方を探索する人類の意欲を支える重要な拠点として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

もう一度検索