キャンベラ深宇宙通信施設

キャンベラ深宇宙通信施設（CDSCC）

キャンベラ深宇宙通信施設、通称CDSCCはオーストラリアのティドビンビラに位置する重要な地上局です。この施設はNASAのジェット推進研究所によって運営され、ディープスペースネットワーク（DSN）の一部を構成しています。1965年3月19日に開設され、当時の豪州首相ロバート・メンジーズが臨席した話題も印象的です。CDSCCは地球の自転に合わせて宇宙探査機と通信するための通信局として設けられ、世界に3つしかないDSNの一つです。残りの2つはスペインのマドリード深宇宙通信施設と米国のゴールドストーン深宇宙通信施設です。

歴史

CDSCCの歴史は1963年に遡ります。その年、NASAは火星探査機マリナー4号の成功を支えるために通信基地の建設を開始しました。ウーメラ試験場がディープスペースネットワークに適していないと判断され、その代替としてキャンベラが選ばれました。この地域は豪州の経済成長と連動しており、地形が電波干渉に強いことも選定理由となりました。

1960年代半ば、NASAはオーストラリアに3つの追跡局を設置し、その一つとしてティドビンビラ追跡局が1965年に開設されました。この局はアポロ計画の月着陸船との重要な交信を担当しました。

受信機の種類

CDSCCでは現在、4基の大型アンテナが使用されており、宇宙探査機との通信を支えています。

• - DSS43: 1972年に64mのアンテナとして運用開始、その後70mに拡張されました。ボイジャー2号の海王星探査時には性能向上も図られ、今でも現役で南半球最大の可動パラボラアンテナです。

• - DSS34: 1997年に運用開始されたこのアンテナは「ビームウェーブガイド」技術を使用して送受信を行います。地下に送受信装置を配置することで、アンテナの負担を軽減し、騒音からも保護されています。

• - DSS35: 2014年に設置された34mアンテナで、Deep Space Network Aperture Enhancement Projectの一環として建設されました。

• - DSS36: 2016年に運用開始されたもう一つの34mアンテナで、こちらもDAEPのプロジェクトに含まれています。

廃止された受信機

DSS42は1964年に設置された26mのアンテナで、古くはマリナー4号の支援を行いましたが、2000年には性能の問題からサービスを終了しました。

電波望遠鏡としての役割

DSS43は探査機との通信以外の時間には、オーストラリア国立望遠鏡機構の一環として天体観測に使用されます。この超大型電波望遠鏡は南半球でも最大の口径を持ち、国際的にもアメリカのグリーンバンク望遠鏡などに次ぐこれは実に名誉ある存在で、科学研究に大いに貢献しています。

結論

キャンベラ深宇宙通信施設は、宇宙探査の最前線で活躍する通信基地として重要な位置を占めています。短期間の間に技術を進化させ、過去から現在にかけて様々なミッションを支えてきた結果、宇宙通信の要所として欠かせない存在になっています。その技術と歴史は、今後の宇宙探査にとっても大きな資産となるでしょう。

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