サイエンス・アンド・ネイチャー

ブルートーンズ『サイエンス・アンド・ネイチャー』解説

『サイエンス・アンド・ネイチャー』は、イギリスのロックバンド、ブルートーンズが2000年に発表した3枚目のアルバムです。前作リリース後、所属レーベルのA&Mレコードが吸収合併された影響を受け、本作はマーキュリー・レコードからリリースされました。

特徴

全英チャートでは7位を記録し、ブルートーンズにとって3作連続のトップ10入りを果たしました。プロデューサーには、前2作を手掛けたヒュー・ジョーンズに代わり、スーパーグラスなどを手がけたジョン・コーンフィールドが起用されています。また、キーボード担当のリチャード・ペインがレコーディングに全面的に参加したことも、本作のサウンドに大きく影響を与えています。

そのサウンドは、前作に比べて牧歌的で落ち着いた雰囲気が特徴です。バンドのフロントマンであるマーク・モリスは、「前回のアルバムでは、自分たちのアグレッシブな面を打ち出したので、今回はその逆の側面、つまりデリケートで優しく感情的な方向へと向かっていきたいと思った」と語っています。また、「もしかしたら、デビュー・アルバムの温かくてメロウな場所へ、僕らは帰っていったのかもしれないね」とも述べており、初期の作風への回帰を示唆するようなコメントも残しています。

収録曲

1. ゾロ – Zorrro
2. ラスト・オブ・ザ・グレイト・ナビゲーターズ – The Last of the Great Navigators
3. タイガー・リリー – Tiger Lily
4. マッドスライド – Mudslide
5. ワン・スピード・ギアボックス – One Speed Gearbox
6. ブラッド・バブル – Blood Bubble
7. オートフィリア – Autophillia
8. キープ・ザ・ホーム・ファイアーズ・バーニング – Keep the Home Fires Burning
9. ベイスメント・ソング – The Basement Song
10. スラック・ジョー – Slack Jaw
11. エミリーズ・パイン – Emily's Pine

日本盤にはボーナストラックとして「イッツ・ア・ボーイ」が収録されており、特典映像として「キープ・ザ・ホーム・ファイアーズ・バーニング」のミュージックビデオも収録されています。

シングル

アルバムからは以下のシングルがリリースされています。

2000年：キープ・ザ・ホーム・ファイアーズ・バーニング - 全英13位
2000年：オートフィリア - 全英18位
* 2000年：マッドスライド - EPとして発売

まとめ

『サイエンス・アンド・ネイチャー』は、ブルートーンズの音楽性の幅広さを示すとともに、彼らのキャリアにおいて重要な作品の一つと言えるでしょう。穏やかなメロディと感情豊かな歌詞が、聴く人の心に深く響くアルバムです。

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