サイクロン・ネグロ

サイクロン・ネグロ：伝説のマスクマンの生涯

サイクロン・ネグロ、本名ラモン・エドゥアルド・ロドリゲスは、1932年4月7日ベネズエラに生まれ、2013年2月20日に80歳でこの世を去ったプロレスラーである。アマチュアボクシングで頭角を現し、1951年の第1回パンアメリカン競技大会ではフロイド・パターソンと対戦するなど、輝かしい実績を残した。

1956年、ベネズエラ首都カラカスでプロレスラーとしてデビュー。リングネームは「シクロン・ベネズエラーノ」。その後、ヨーロッパ、アメリカと活躍の場を広げ、テキサスではトルベジーノ・ブランコとタッグを組み、サイクロン・ネグロ（黒い台風）としてNWAテキサス・タッグ王座を争うなど、白黒覆面レスラーとして人気を博した。

1964年、日本プロレスのワールドリーグ戦にベネズエラ代表として初来日。アメリカでは素顔で闘っていたが、日本では新たな覆面レスラー、カリプス・ハリケーンとして登場。ジャイアント馬場と時間切れ引き分けに持ち込むなど、強烈な印象を残した。さらに、ジン・キニスキーとのタッグでアジア・タッグ王座を獲得するなど、日本のプロレスファンを魅了した。1968年には、インターナショナル・タッグ王座に挑戦するなど、その活躍は日本プロレス界に大きな足跡を残した。

日本での活躍後、アメリカへ戻ったサイクロン・ネグロはフロリダを主戦場に、ベビーフェイスとしてジャック・ブリスコやサム・スティムボートらとタッグを組み、NWAフロリダ・ヘビー級王座を獲得。その後はヒールに転向し、テキサス西部のアマリロ地区を拠点に、テリー・ファンクやロード・アルフレッド・ヘイズらと激しい抗争を繰り広げた。

1972年には、再びカリプス・ハリケーンとして日本プロレスのワールドリーグ戦に参戦。そして、全[[日本プロレス]]にも参戦し、素顔と覆面レスラーの両方の姿で活躍。チャンピオンカーニバルにも出場するなど、全[[日本プロレス]]の中堅外国人レスラーとして活躍した。1978年には、フロリダで再びカリプス・ハリケーン風の覆面を被り、ミスター・ウガンダとしてNWAフロリダ・ヘビー級王座を獲得するも、短命に終わった。

その後もフロリダ、ロサンゼルス、プエルトリコなどを転戦し、1983年に全[[日本プロレス]]に最後の参戦。1984年には、旧UWFにもカリプス・ハリケーンとして出場した。1985年に引退し、フロリダで余生を過ごした。

サイクロン・ネグロの最大の功績の一つは、ブレーンバスターの普及である。それまでの垂直落下式ではなく、背中から落とす現在の主流のブレーンバスターを広めたのは彼である。また、ボクシング経験を生かしたパンチも得意とし、ザ・グレート・カブキにアッパーブローを伝授したエピソードも有名である。

数々のタイトルを獲得したサイクロン・ネグロは、NWAテキサス・ヘビー級王座、NWAフロリダ・ヘビー級王座、NWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座など、多くの主要タイトルを獲得している。また、日本プロレスでは、アジア・タッグ王座、インターナショナル・タッグ王座も獲得している。

サイクロン・ネグロは、その卓越したテクニックとカリスマ性で、世界中のプロレスファンを魅了した伝説的なレスラーであった。彼の功績は、後世のプロレスラーたちに大きな影響を与え続けている。彼の名前は、プロレス史に永遠に刻まれるであろう。

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