ジン・キニスキー

ジン・キニスキー：伝説のファイティング・マシーン

ジン・キニスキー (Gene Kiniski、1928年11月23日 - 2010年4月14日) は、カナダのプロレス界にその名を刻んだ伝説的なレスラーです。その実力は北米のみならず、日本でも広く知られており、特にジャイアント馬場との数々の激闘はプロレス史に燦然と輝きます。本名はユージン・ニコラス・キニスキー。アルバータ州エドモントン出身のポーランド系カナダ人です。

華麗なるキャリア

キニスキーはアリゾナ大学在学中からアメリカンフットボール選手として活躍、卒業後もカナダ・フットボールリーグのエドモントン・エスキモーズに所属していました。しかし、彼の運命はプロレスにありました。カルガリーでスチュ・ハートの指導を受け、1952年にプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせます。当初はアメリカンフットボールとの両立でしたが、1954年からはプロレスに専念、ヒールとして北米各地を転戦し、キラー・コワルスキー、ジョニー・バレンタインと共に「ポーランド系の三凶鬼」と呼ばれ、観客を魅了し、恐怖に陥れました。

[カナダ]]では、NWA大英帝国ヘビー級王座、世界ヘビー級王座を獲得するなど、早くからその実力を証明しました。1960年からはアメリカン・レスリング・アソシエーション]に参戦、[[AWA世界ヘビー級王座を獲得。その後も、ワールド・ワイド・レスリング・フェデレーション(WWWF)、NWAなどで活躍し、1966年にはNWA世界ヘビー級王座を獲得。AWAとNWAの両世界ヘビー級王座を制覇した、類を見ない偉業を成し遂げました。

日本での活躍と馬場との激闘

日本プロレスには1964年に初来日し、その後も何度も来日、ジャイアント馬場との激闘を繰り広げました。特に1967年8月14日大阪球場でのインターナショナル・ヘビー級選手権試合は65分にも及ぶ死闘となり、馬場自身もベストマッチと評する名勝負として語り継がれています。1970年にはインターナショナル・ヘビー級王座も獲得、日本のプロレスファンに強烈な印象を残しました。馬場との対戦以外にも、アントニオ猪木とのタッグマッチなど数々の名勝負を残しています。日本プロレス崩壊後も全[[日本プロレス]]に参戦、馬場との対戦は1970年代を通して続きました。

プロモーターとしての顔

キニスキーはレスラーとしてだけでなく、プロモーターとしても活躍しました。1968年から1983年にかけては、カナダのバンクーバーでNWAオールスター・レスリングを主宰、レスラー兼プロモーターとして手腕を発揮。NWA太平洋岸ヘビー級王座を7度獲得するなど、その支配力は絶大でした。

レジェンドとしての晩年

1980年代以降はセミリタイア状態となりましたが、各地のリングに上がり続けました。引退後も、レスリング界のレジェンドとして日本に招かれ、ジャイアント馬場との交流は、最後まで続きました。1999年の馬場引退記念試合では、サンマルチノと共に特別ゲストとして来日し、馬場への敬意を表しました。2010年、81歳で癌のため逝去。

キニスキーのファイトスタイルと人間性

キニスキーは「闘うチャンピオン」「ファイティング・マシーン」と呼ばれた、豪快なファイトスタイルで知られていました。そのケレン味のない、剛直な姿は多くのファンを魅了しました。しかし、その強さとは裏腹に、義理堅く温厚な人柄でも知られていました。馬場もキニスキーを「力で世界を制した最後の大チャンピオン」と評しています。

彼の功績は、息子のケリー・キニスキー、ニック・キニスキーもプロレスラーとして活動した事からも伺えます。

ジン・キニスキーは、プロレスラーとして、プロモーターとして、そして人間として、忘れられない存在であり続けるでしょう。彼の活躍は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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