サウスダコタ (戦艦)

サウスダコタ（USS South Dakota, BB-57）

アメリカ海軍のサウスダコタ（USS South Dakota, BB-57）は、戦艦サウスダコタ級の艦であり、第二次世界大戦中に多くの戦闘に参加した歴史的な艦船です。サウスダコタという名前はアメリカ合衆国の州、サウスダコタに由来しています。この艦は、ペンシルベニア級装甲巡洋艦のサウスダコタに続き、2隻目となる艦船でもあります。また、艦名からは「戦艦X」（Battleship X）や「ブラック・プリンス」（Black Prince）などの愛称が付けられてきました。

概要

サウスダコタは、1942年3月に就役し、主に太平洋戦争で活躍しました。艦は45口径40.6cmの三連装砲塔を3基搭載し、十分な防御力を有していました。さらに、38口径12.7cmの連装両用砲塔を4基備え、艦の対空能力を強化していました。サウスダコタは、同世代の日本の大和型戦艦と互角に戦うだけの速力を誇り、27ノットの速度を発揮しました。

初めての戦闘は1942年10月の南太平洋海戦で、空母エンタープライズの護衛として激しい対空砲火を展開しました。その後も、サウスダコタは様々な戦闘に参加し、特に第三次ソロモン海戦では日本軍に対しての攻撃を行い、その名声を高めました。

戦歴

南太平洋海戦

1942年10月26日、サウスダコタは南太平洋海戦で初陣を飾り、アメリカ軍機動部隊の一員として日本艦隊との接触を果たしました。この戦闘では、敵機に対して効果的な対空砲撃を行い、航空母艦エンタープライズの損傷を最小限に抑えることに寄与しました。サウスダコタは、日本の攻撃機に対して猛反撃をし、結果として26機を撃墜したとされています。

その後、サウスダコタは重要な戦闘に次々と参加し、1943年には大西洋へ移動し、その後再び太平洋に戻って機動部隊の支援任務に従事しました。特に、マリアナ沖海戦や硫黄島、沖縄への攻撃に参加し、戦略的役割を果たしました。

主要な戦闘

サウスダコタは、多くの激戦地で戦闘を行いました。1944年6月19日のマリアナ沖海戦では、日本の航空攻撃に直面しつつも、効果的な防御を行いました。この戦闘でサウスダコタは250キロ爆弾に直撃され、犠牲者を出しますが、沈没は免れました。
また、1945年には沖縄戦や本土近海での火力支援を行い、日本本土に対する艦砲射撃して重要な役割を担いました。このとき、釜石や静岡市に対する艦砲射撃が特に有名です。

終焉とその後

太平洋戦争の終結後、サウスダコタは予備艦として置かれ、結局現役に戻ることなく解体されました。艦のサービス期間中、戦功により13個の従軍星章を受賞し、その存在を海軍史に刻み込みました。サウスダコタの活躍は、アメリカ海軍の戦艦が持っていた戦力と責任の象徴として、今も語り継がれています。

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