サウスバンク・センター

サウスバンク・センター

イギリスの首都ロンドンに位置するサウスバンク・センターは、多岐にわたる芸術活動を支援・展開する複合施設です。テムズ川の南岸、歴史的なカウンティ・ホールと現代的なウォータールー橋の間に広がるこの施設は、その規模においてヨーロッパでも屈指の芸術拠点として知られています。

かつては「South Bank Centre」（SouthとBankの間にスペースあり）として親しまれていましたが、2007年初頭にブランドの改称を行い、現在の「Southbank Centre」（SouthとBankが一語）という名称になりました。

主要な施設構成

サウスバンク・センターは、主に以下の3つの建物から構成されています。

ロイヤル・フェスティバル・ホール (Royal Festival Hall): 約2,900席を有する大規模なコンサートホールです。優れた音響で知られ、オーケストラ公演を中心に様々な音楽イベントが開催されます。
クイーン・エリザベス・ホール (Queen Elizabeth Hall): ロイヤル・フェスティバル・ホールに隣接する中規模ホールで、座席数は約917席です。フィルハーモニア管弦楽団の本拠地であり、BBCコンサート・オーケストラの公開収録もここで行われます。また、1960年のユーロビジョン・ソング・コンテストの開催地としても歴史に名を刻んでいます。
パーセル・ルーム (Purcell Room): クイーン・エリザベス・ホールと同じ建物内にある、より小規模なホールで、約370席を備えています。リサイタルや室内楽、講演会など、親密な雰囲気でのイベントに適しています。
ヘイワード・ギャラリー (Hayward Gallery): 現代美術に特化したギャラリーです。ガラス張りの特徴的な外観を持ち、年間およそ3回から6回にわたり、国際的な注目を集める企画展が開催されています。

開催されるプログラムと来場者

サウスバンク・センターでは、年間を通じて非常に多様なプログラムが展開されています。ホールでは、音楽（クラシック、ジャズ、現代音楽など）、ダンス、文学、演劇といった幅広いジャンルの公演が、有料プログラムとして1,000回以上にわたって開催されます。これに加え、ロビーなどパブリックスペースでは、無料のイベントや教育関連の催しが300回以上実施されており、誰でも気軽に芸術に触れる機会を提供しています。

これらの多彩な活動は国内外から多くの人々を惹きつけ、年間300万人を超える来場者数を記録しています。

本拠地とするオーケストラ

サウスバンク・センターは、いくつかの著名なオーケストラの主要な活動拠点となっています。

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (London Philharmonic Orchestra)
フィルハーモニア管弦楽団 (Philharmonia Orchestra)
ロンドン・シンフォニエッタ (London Sinfonietta)
エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 (Orchestra of the Age of Enlightenment)

これらの団体は、ロイヤル・フェスティバル・ホールやクイーン・エリザベス・ホールで定期的に公演を行い、サウスバンク・センターを音楽活動の中心としています。

サウスバンク・センターは、その優れた施設と豊富なプログラムにより、ロンドンだけでなく、ヨーロッパ全体の芸術文化シーンにおいて重要な役割を担っています。

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