サウス・ケンジントン駅

サウス・ケンジントン駅：ロンドンの交通と文化の中枢

サウス・ケンジントン駅は、ロンドン中心部ケンジントン＆チェルシー区に位置する、ロンドン地下鉄の主要駅です。ディストリクト線、サークル線、そしてピカデリー線の3路線が乗り入れ、トラベルカード・ゾーン1に属しています。そのため、ロンドンの主要観光地やビジネス街へのアクセスが非常に容易です。

駅の構造とアクセス

駅は地上からアクセスできるメインの改札口を有し、そこから階段を上がるとアーケードがあります。このアーケードはオールド・ブロンプトン・ロードなどの主要道路に面しており、複数の出口が設けられています。さらに、改札口近くには、北側へ向かう地下道を通って博物館へのアクセスを容易にする2つの補助的な出入口があります。これらの出入口は、ロンドン自然史博物館、サイエンス・ミュージアム、王立音楽大学、そしてヴィクトリア＆アルバート博物館などの主要な文化施設に近接しています。また、インペリアル・カレッジ・ロンドンやゲーテ・インスティトゥート・ロンドン支部、イズマイリ・センターへも徒歩圏内に位置しています。

ディストリクト線とサークル線は、地上に近い掘割式のホームを使用しており、線路とホームを共有しています。一方、ピカデリー線は、それらよりも地下深くにある独立したホームを使用しています。このため、駅は地上部、浅い地下、そして深い地下と、多層構造となっています。

歴史

サウス・ケンジントン駅は、1868年12月24日、メトロポリタン鉄道とメトロポリタン・ディストリクト鉄道の駅として開業しました。当初は、メトロポリタン鉄道とメトロポリタン・ディストリクト鉄道がそれぞれ独自のホームを使用していましたが、その後、両鉄道の相互直通運転が行われるようになり、インナー・サークル系統、アウター・サークル系統、ミドル・サークル系統などがこの駅を経由しました。これらの系統は後に廃止、変更されました。

1885年には、エキシビション・ロードの下に歩行者専用の地下道が建設され、近隣の博物館へのアクセスが向上しました。当初は通行料が必要でしたが、のちに無料化されました。

20世紀初頭には、メトロポリタン・ディストリクト鉄道の路線網拡大に伴い、特にインナー・サークル南側区間は混雑が激化しました。この混雑緩和のため、地下急行線の建設計画も立てられましたが、実現には至りませんでした。代わりに、ブロンプトン・アンド・ピカデリーサーカス鉄道（現在のピカデリー線）を吸収合併し、ピカデリー線の建設が進められ、サウス・ケンジントン駅にもピカデリー線のホームが追加されました。

1906年にはグレート・ノーザン・ピカデリー・アンド・ブロンプトン鉄道（現在のピカデリー線）が開業。サウス・ケンジントン駅のピカデリー線ホームは、既存の掘割ホームの直下に建設されました。1949年には、インナー・サークル系統がサークル線として独立しました。

駅の配置変遷

駅のホーム配置は、開業以来幾度か変更されています。当初は、メトロポリタン鉄道とメトロポリタン・ディストリクト鉄道がそれぞれ2本のホームを使用していました。折り返し線路も存在していましたが、1957年に廃止され、その跡地は現在の広い島式ホームとなりました。一部のホームは1960年代に廃止され、現在の配置に至っています。現在では、ディストリクト線とサークル線は1つの島式ホームを使用し、各方向に列車が発着します。ピカデリー線のホームは独立しており、地下トンネル内にあります。

周辺交通

サウス・ケンジントン駅周辺には、多数のロンドンバス路線が運行しており、周辺地域へのアクセスも良好です。

隣の駅

サウス・ケンジントン駅の隣駅は以下の通りです。

サークル線: グロスター・ロード駅、スローン・スクエア駅
ディストリクト線: グロスター・ロード駅、スローン・スクエア駅
* ピカデリー線: グロスター・ロード駅、ナイツブリッジ駅

サウス・ケンジントン駅は、ロンドンの交通と文化の中枢として重要な役割を果たしており、歴史と近代が融合した魅力的な駅です。

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