サークル線

ロンドン地下鉄サークル線：歴史と現状

ロンドン地下鉄サークル線は、ロンドンの地下鉄路線の1つです。ハマースミス駅からエッジウェア・ロード駅を経由し、ロンドン中心部を環状に走行後、エッジウェア・ロード駅に戻ります。かつては日本の山手線のような完全な環状運転でしたが、2009年のハマースミス＆シティ線への乗り入れ開始により、現在は「6の字型」の運行形態となっています。これは日本の都営地下鉄大江戸線などに類似しています。

歴史

サークル線の歴史は、世界初の地下鉄であるメトロポリタン鉄道の開通(1863年)にまで遡ります。当初はパディントン駅からファリンドン・ストリート駅を結ぶ短い路線でしたが、その後徐々に路線が延長されていきました。蒸気機関車とガス灯を備えた木製の車両を使用していた時代を経て、1884年にメトロポリタン鉄道とディストリクト鉄道が接続し、環状線「インナー・サークル」が完成しました。

その後、1949年に「インナー・サークル」から「サークル線」へと名称変更され、地下鉄路線図上で独立した路線として扱われるようになりました。車両の更新や路線の改良なども進められ、1959年から1960年にかけては6両編成の車両が導入され、ハマースミス＆シティ線と車両を統一。保守整備もハマースミス車両基地で行われるようになりました。

2005年にはテロ事件により運行が一時停止されるという出来事もありました。そして2009年、エッジウェア・ロード駅からハマースミス＆シティ線に乗り入れる形で路線が延長され、現在の「6の字型」の運行形態へと変更されました。この延長により、ハマースミス支線の列車本数も増加しました。

運行形態と路線図

2009年以前は、日本の山手線のような完全な環状線として運行されており、内回り・外回り両方向に列車が運行していました。しかし、2009年の路線延長以降は、ハマースミス駅方面から来た列車がエッジウェア・ロード駅を経由し、ロンドン中心部を一周した後、再びエッジウェア・ロード駅に戻るというルートに変更されています。

駅一覧と他路線との関係

サークル線は、いくつかの区間で他の地下鉄路線と線路を共有しています。これは、日本の山手線と京浜東北線のように完全に独立した線路とは異なり、高崎線と宇都宮線の上野～大宮間のように、同じ線路やプラットホームを共用しているような関係です。具体的には、以下の区間で他路線と線路を共有しています。

ハマースミス駅 - リバプール・ストリート駅間（ハマースミス＆シティ線）
ベーカー・ストリート駅 - アルドゲート駅間（メトロポリタン線）
タワーヒル駅 - グロスター・ロード駅間（ディストリクト線本線）
ハイ・ストリート・ケンジントン駅 - エッジウェア・ロード駅間（ディストリクト線エッジウェア・ロード支線）

メトロポリタン・ディストリクト鉄道

サークル線の歴史を語る上で、メトロポリタン・ディストリクト鉄道は無視できません。この鉄道会社は1868年から1933年までロンドンで運行されており、インナー・サークルの建設を目的として設立されました。開通当初は蒸気機関車とガス灯照明の木製車両を使用し、1905年に電化が開始されるまでその状態が続きました。1933年にはロンドン旅客運輸公社に合併されましたが、その路線は現在サークル線、ピカデリー線、ディストリクト線として運行されています。

まとめ

サークル線は、世界初の地下鉄の一部を起源とし、1世紀以上に渡ってロンドンの交通を支えてきた歴史ある路線です。環状線から現在の「6の字型」運転へと変遷し、様々な出来事を経て現在に至っています。ロンドンの歴史と発展を肌で感じることができる、魅力的な地下鉄路線と言えるでしょう。

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