ササフラ

ササフラ：ニジンスキーを破ったフランスの英雄

ササフラは、フランスを代表する名競走馬として、その名を歴史に刻んでいます。特に1970年の凱旋門賞における、無敗の三冠馬ニジンスキーを破った勝利は、競馬史上に残る金字塔と言えるでしょう。

華麗なる競走生活

1967年生まれのササフラは、シェシューンを父に持つサラブレッドでした。父シェシューンはゴールドカップなどの重賞競走を制した名馬であり、その血を受け継いだササフラは3歳シーズンにその潜在能力を爆発させます。リュパン賞で3着と好走した後、フランスダービーに相当するジョッケクルブ賞に挑みます。強豪ロールオブオナーやカロらを相手に、見事勝利を収めたのです。続くフランスのセントレジャー、ロワイヤルオーク賞でも、繰り上がりながらも栄冠を掴みました。

そして迎えた凱旋門賞。このレースには、イギリス三冠を11戦無敗で制したニジンスキーが出走。圧倒的1番人気に支持される中、ササフラは20倍という低評価でした。レースは、2頭のペースメーカーがハイペースで飛ばす展開。ササフラは先行集団につけ、ニジンスキーは後方からレースを進めます。直線でニジンスキーが追い上げ、先頭に躍り出ますが、ササフラはしぶとく差を詰め、最後はアタマ差でニジンスキーを差し切りました。この劇的な勝利により、ササフラは1970年度フランス最優秀3歳牡馬に選出される栄誉に輝きます。

凱旋門賞を最後に引退したササフラは、イギリスで種牡馬となりました。種牡馬としては、思うような成功は収められませんでしたが、アンリルバラフル、マルモラダ、ベイヌーンといった活躍馬を輩出しました。その後、アメリカへ輸出され、1988年にその生涯を終えます。しかし、その父系はブラジルでわずかに受け継がれ、現在もその血を受け継ぐ馬たちが活躍しています。

主要産駒の活躍

ササフラの産駒は、母国フランスのみならず、イタリアやブラジルなど世界各国で活躍しました。特にアンリルバラフルは、ロワイヤルオーク賞とローマ賞を制覇し、ブラジルリーディングサイアーにも輝いた名馬です。マルモラダもイタリアオークスなどで勝利を収め、ササフラの遺伝子の素晴らしさを証明しました。ベイヌーンは、クイーンズベースやジョフリーフレアステークスを制し、セントレジャーでは2着と健闘。その産駒には、名種牡馬サンドピットも含まれます。他にも、ドムアラリック、ツリーオブノレッジ、エリモグレース、ホクエイワンといった馬が、それぞれの舞台で活躍しました。

伝説に残る名馬

ササフラは、卓越した能力と勝負強さで、数々の激戦を制してきた名馬でした。ニジンスキーという伝説的競走馬を破ったその偉業は、競馬史に永遠に刻まれるでしょう。その血統は、現在も世界各地で受け継がれ、新たな名馬を生み出し続けています。ササフラの物語は、競走馬としての成功のみならず、血統という形で未来へと繋がる、感動的な物語なのです。

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