サタデー・ナイト

ベイ・シティ・ローラーズ「サタデー・ナイト」

「サタデー・ナイト」は、スコットランドのポップ・ロックバンド、ベイ・シティ・ローラーズが1975年にリリースし、世界的な大ヒットとなった楽曲です。ビル・マーティンとフィル・クールターのコンビが作詞・作曲・プロデュースを手掛けました。

楽曲の特徴

この曲の最大の魅力は、リズミカルで熱狂的なボーカルが印象的なサビの部分でしょう。「SATURDAY」を「S-A-T-U-R-D-A-Y」とスペルアウトするキャッチーなフレーズは、一度聴いたら忘れられないインパクトがあります。アップビートなロックンロールのリズムと、聴く人を高揚させるエネルギーに満ち溢れています。

ヒットの経緯

実はこの曲、ベイ・シティ・ローラーズが初めて歌ったわけではありません。オリジナルはノビー・クラークという歌手で、1973年にイギリスでレコーディング、リリースされましたが、当時はチャートインしませんでした。しかし、1975年末にベイ・シティ・ローラーズがアメリカでリリースしたところ、大ヒットを記録。1976年1月3日には、Billboard Hot 100チャートで見事1位を獲得しました。

アメリカ建国200周年の年である1976年、Billboard Hot 100で最初に1位になった曲が、この「サタデー・ナイト」だったのです。ベイ・シティ・ローラーズのバージョンは、1974年にイギリスで発表されたアルバム『エジンバラの騎士』に収録されており、レスリー・マッコーエンがボーカルを務めています。また、カナダの音楽雑誌『RPM』のシングル・チャートでも、1976年1月10日付で1位を獲得しています。この曲は、ベイ・シティ・ローラーズにとって唯一の全米ナンバーワンヒットとなりました。

2019年には、Netflixのドラマ『アンブレラ・アカデミー』で使用され、再び注目を集めました。

日本での展開

日本でも複数のシングル盤がリリースされています。アリスタ・レコードから発売されたものだけでも、1975年の規格品番 BLPB-251-AR（B面は「ベイ・シティ・ローラーズのテーマ (Shang-a-lang)」）、1976年3月20日の規格品番 IER-10935-AR（B面は「バイ・バイ・ベイビー (Bye Bye Baby)」）などが存在します。また、曲名を「サタデイ・ナイト」として、B面に「Hey! C.B.」を収録した1979年のシングルや、CMでの使用をきっかけに1989年に再発された8センチCD（曲名表記は「サタデイ・ナイト」、2曲目は「ベイ・シティ・ローラーズのテーマ」）、BMGから発売された「サタデイ・ナイト」1曲のみを収録した2004年の8センチCDもあります。

カバー・バージョン

数多くのアーティストによってカバーされています。

ネッズ・アトミック・ダストビン（映画『ハネムーンは命がけ』のサウンドトラック）
モンスター・トラック（『ホッケー・ナイト・イン・カナダ』のテーマソング）
JOHNNYS' ジュニア・スペシャル（日本語詞カバー、1976年）
南青山少女[[歌劇団]]（「SATURDAY NIGHT」の曲名で日本語詞カバー、1993年）
杉本理恵（「恋するSATURDAY NIGHT」の曲名で日本語詞カバー、1994年）
Hi-STANDARD（英語詞カバー、1995年）
AKAKAGE（2000年）
松浦ゴリエ（「Pecori♥Night」の曲名で日本語詞カバー、2005年）
ザ50回転ズ（2006年）
E-girls（「Saturday Night 〜ロックな夜に魔法をかけて〜」の曲名で日本語詞カバー、2015年）
* チャラン・ポ・ランタン（「ソトデナイ」の曲名で日本語詞カバー、2016年）

後の楽曲への影響

ラモーンズの「電撃バップ」における「Hey! Ho! Let's Go」というチャントは、「サタデー・ナイト」から影響を受けたとされています。また、シンプル・プランの「Saturday」には、「サタデー・ナイト」の冒頭のフレーズが挿入されています。TOKIOの「カンパイ!!」は、「サタデー・ナイト」の冒頭のメロディを流用しています。

「サタデー・ナイト」は、時代を超えて愛される、まさにポップ・ロックの金字塔と言えるでしょう。

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