サニー・フランシス

インド出身の俳優、そしてラジオパーソナリティとして日本で活躍するサニー・フランシス（本名：アラパト・ジョシ・フランシス）は、1964年 7月1日に誕生しました。178cmの長身で、メディアの世界に加え、実業家としても神戸市で自身の店舗を経営するなど、多彩な顔を持っています。

南インドのケララ州トリチュール市で生を受けた後、わずか1歳で西インドのグジャラート州アフマダーバードへ移り、幼少期を過ごしました。父はケララ州出身のクリスチャンで、工場労働者として一家を支えました。4人兄弟の三男として育ち、インドでハイスクール、そして大学で英文学を修めました。

1986年4月4日、新たな学びの場を求めて来日。YMCA日本語学校で日本語を習得する傍ら、他の留学生たちと共に劇団を結成し、日本各地で精力的に公演を行いました。その後、大阪ビジュアル・コミュニケーション専門学校で映像についても学び、1990年に卒業しています。

彼の日本のメディアにおけるキャリアは、1988年の「東芝日曜劇場恋していました」で幕を開けました。これが初のテレビ出演であり、パキスタン人の犯罪者という印象的な役どころでした。俳優としては、2004年公開の映画『リアリズムの宿』で劇場公開作品に初出演を果たし、その後も多数の映画に出演しています。

ラジオパーソナリティとしての道が開かれたのは、来日して間もない頃、偶然出演したMBSラジオの番組がきっかけでした。当時通っていた日本語学校にラジオ局から問い合わせがあり、教師の勧めを受けて出演した経験が、その後のキャリアを大きく左右しました。

1995年10月に開局したFM COCOLOのDJオーディションに合格し、ラジオの世界へ本格的に進出。当初はヒンディー語の番組を担当していましたが、翌年には日本語での生放送も開始し、長年にわたり多くのレギュラー番組を担当しました。局のリニューアル後も、ヒンディー語番組「FROM OVERSEAS -INDIA-」を担当し続けています。2019年からは朝日放送ラジオで「サニー・フランシスのマサララジオ」のパーソナリティを務めています。

テレビタレントとしても、1998年から3年半にわたりレギュラー出演した「ここがヘンだよ日本人」で全国的な知名度を獲得しました。この番組では、外国人出演者の中でいかに自身の存在感を示し、発言を残すかに腐心したといいます。その他、「FNNスーパーニュースアンカー」のコメンテーター、現在も続く「世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団」など、情報番組やバラエティ番組にも幅広く出演し、異文化理解の架け橋となる役割も担っています。

私生活では、YMCAの劇団で出会った台湾人女性と1995年に結婚し、1男2女をもうけています。宗教は父と同じクリスチャンです。かつてはとんかつ店の運び係やパブの店員、カラオケ店の店長、アントニオ猪木後援会での通訳など、様々な職を経験してきました。現在は神戸市灘区で、インド料理と台湾料理を提供するエスニック料理店「....wife is boss」を奥様と共に経営しており、店の名前には「家族は妻のつくる料理に尽きる」という思いが込められています。

人物像としては、インド映画への造詣が深く、趣味はインド音楽鑑賞、特技はテトリスという一面も。イカ、タコ、納豆は苦手だとか。お酒は全く飲めない下戸であり、泳ぎも苦手（かなづち）です。運転免許は持っているものの、自身は運転せず助手席に座るのが専門だといいます。日本での永住ビザを取得しており、日本を拠点に活動を続けています。2020年代からは「サニやん」という愛称でも親しまれるようになりました。この愛称は、ラジオ番組で話題になった際にリスナーや共演者から自然発生的に生まれたものです。

俳優、ラジオパーソナリティ、コメンテーター、そして実業家として、サニー・フランシス氏は長年にわたり日本で活躍し、インドと日本の文化をつなぐ架け橋として独自の存在感を示しています。

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