アフマダーバード

アフマダーバードは、インド西部、グジャラート州に位置する主要都市です。人口は約800万人を擁し、インド国内でも有数の規模を誇ります。この都市は、農業や綿織物業が盛んな地域として知られ、経済的に重要な役割を果たしています。

歴史

アフマダーバードの歴史は15世紀初頭に遡ります。1411年、グジャラート・スルターン朝のアフマド・シャー1世によって都が置かれ、現在の都市名が付けられました。その後、16世紀にはムガル帝国に征服され、その支配下に入りました。18世紀にはマラーター同盟の支配を経て、19世紀にはイギリスの植民地支配を受けることとなります。このイギリス統治時代に綿織物工業が発展し、都市の経済成長を支えました。

アフマダーバードは、インド独立運動の指導者マハトマ・ガンディーとも深い関わりがあります。1915年に彼はサーバルマティー・アーシュラムをこの地に設立し、インド独立運動の拠点の一つとなりました。また、1930年の「塩の行進」もこの地から出発しており、ガンディーの足跡を辿ることができる場所として、現在も多くの人々が訪れます。市内にはガンディー博物館も設けられています。

1960年から1970年まで、アフマダーバードはグジャラート州の州都でしたが、その後、近郊のガンディーナガルにその役割を譲りました。

文化と宗教

アフマダーバードは、多様な宗教や文化が共存する都市でもあります。イスラム教徒が比較的多く、多くのモスクが建てられています。また、ジャイナ教の寺院も多く見られ、異なる宗教が共存する風景は、この都市の大きな特徴の一つです。

都市景観

アフマダーバードは、近代的な都市としても発展を遂げています。郊外には多くの工場が立ち並び、経済的な繁栄を誇っています。また、この都市周辺には、階段井戸（バーオリー）と呼ばれる歴史的な建造物が数多く残されており、独特な景観を形作っています。

世界遺産

アフマダーバードは、2017年にユネスコの世界遺産に登録されました。これは、都市の歴史的、文化的価値が国際的に認められたことを意味します。登録基準としては、以下の2つの項目が挙げられています。

建築、技術、都市計画などの発展における人類の価値の重要な交流を示すこと。
文化を代表する伝統的な集落、あるいは人と環境の関わりの顕著な例であること。

交通

アフマダーバードには、主要な交通機関として鉄道、地下鉄、空港があります。アフマダーバード駅は、インド各地へのアクセスを可能にしています。また、2019年にはアフマダーバード地下鉄が開通し、市内の移動が便利になりました。サルダール・ヴァッラブバーイー・パテール国際空港は、国内外への航空便が発着しています。

スポーツ

この都市では、クリケットが最も人気のあるスポーツとなっています。2021年には、インディアン・プレミアリーグ（IPL）にグジャラート・タイタンズが創設され、2022年には初優勝を果たしました。ホームスタジアムであるナレンドラ・モディ・スタジアムは、収容人数が世界最大規模を誇り、クリケットの世界大会の開催地としても利用されています。
また、2023年には女子プレミアリーグ（WPL）が開幕し、アフマダーバードを本拠地とするクジャラート・ジャイアンツが所属しています。

まとめ

アフマダーバードは、歴史的な背景と近代的な発展が融合した、多様な魅力を持つ都市です。宗教や文化が共存し、経済的にも重要な役割を果たしています。世界遺産に登録されたことで、その価値がより一層認識され、観光都市としても注目を集めています。この都市は、インドの歴史と文化に触れることができるだけでなく、現代インドの活力を感じることができる場所と言えるでしょう。

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