サミュエル・B・ロバーツ (フリゲート)とは？意味をやさしく解説

USS サミュエル・B・ロバーツの概要

サミュエル・B・ロバーツ（USS Samuel B. Roberts, FFG-58）は、アメリカ海軍のミサイルフリゲートで、オリバー・ハザード・ペリー級フリゲートの48番艦です。この艦は、ガダルカナル島の戦いで命を落としたサミュエル・B・ロバーツ艇長にちなんで名付けられ、艦名を持つ艦としては3隻目となります。愛称「サミー・B（Sammy B）」でも親しまれています。

艦歴

サミュエル・B・ロバーツは1984年 5月21日にメイン州のバス鉄工所で起工され、1984年 12月8日に進水し、1986年4月12日にはポール・X・リン艦長の指揮のもと就役を果たしました。

イラン・イラク戦争への参加

1988年1月、母港であるロードアイランド州ニューポートから出航したサミュエル・B・ロバーツは、ペルシャ湾へ向かい、イラン・イラク戦争においてアーネスト・ウィル作戦に参加しました。この作戦ではクウェートのタンカーを護衛する任務が与えられていました。

その最中の4月14日、艦はペルシャ湾の中央に浮かぶM-08機雷に接触し、損害を受けます。実際、数日前にこの海域を航行した際には機雷は見つからず、突然の事故に艦は驚くことになります。機雷爆発によって艦の船底には直径約5メートルの大きな穴が開き、機関室へ浸水が進行しました。その影響で二機のガスタービンエンジンも外れてしまいました。乗組員は5時間という長時間にわたり、消火活動と浸水排除作業を懸命に行い、艦を維持しました。

この事故により10名の水兵が負傷し、さらに4名はドイツにあるアメリカ陸軍病院に運ばれる事態となります。その後、アメリカ軍の潜水夫たちは事故現場近くの機雷を取り除く作業を行い、これらの機雷が前年にイラン海軍によって敷設されたものであることを確認しました。

修理と復帰

事故から4日後、アメリカ軍はプレイング・マンティス作戦を発動し、イラン海軍の石油関連施設に対し艦艇や航空機、地上兵力を投入して攻撃しました。その結果、イラン海軍の艦艇を一隻沈め、さらに一隻を大破させることに成功しました。一方でアメリカ軍も一機のヘリコプターを失い、二名の乗組員が死亡する結果となりました。

その後、ダメージを受けたサミュエル・B・ロバーツはオランダの海運会社が所有する半水中重量貨物起重機船「マィティ・サーヴァント2」によりニューポートに運ばれ、バス鉄工所での修理を行いました。この修理は湾岸戦争前に完了させる必要があったため、特別な方法で行われ、艦の機関室部分は船体から切断され、代わりに新しいユニットが取り付けられました。

最後の任務

1991年8月30日、ジョーゼフ・A・セスタック艦長が就任し、その後、彼は1993年のバッテンベルク・カップにおいて大西洋艦隊の最優秀水上戦闘艦指揮官として表彰を受けることになります。サミュエル・B・ロバーツは、その後の長い任務の中で多くの功績を残し、2015年 5月22日に退役しました。

参考文献

- Peniston, Bradley (2006). No Higher Honor: Saving the USS Samuel B. Roberts in the Persian Gulf. Annapolis: Naval Institute Press. ISBN 1-59114-661-5
- Wise, Harold Lee (2007). Inside the Danger Zone: The U.S. Military in the Persian Gulf 1987-88. USA: Naval Institute Press

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