サラボージー2世

サラボージー2世の生涯と業績

サラボージー2世（1777年9月24日 - 1832年3月7日）は、南インド、特にタミル地方に存在したタンジャーヴール・マラーター王国及びその藩王国の君主です。彼の在位期間は1787年から1793年、再び1798年から1832年までと、波乱に満ちたものでした。サラボージー2世は、多くの場合「セルフォージー2世」とも呼ばれています。

王位継承と初期の困難

1787年、サラボージーはトゥラジャージー王の養子となりました。同年、養父が亡くなったため、彼は王位を継承することになります。しかし、王国はすぐに外部の圧力に直面します。1792年には叔父のアマル・シングがイギリスとの軍事保護条約を締結し、その結果タンジャーヴール・マラーター王国は藩王国となります。サラボージーはこの時点で藩王となりましたが、その地位は長く続きませんでした。

1793年に、イギリスのマドラス知事の影響により、アマル・シングが養父の正統な後継者として認められ、サラボージーは一時的に廃位されます。彼の王位には不安定さが伴う中、1798年には再び王位を主張し、アマル・シングが退位すると、彼は見事に復位を果たします。

イギリスとの新たな合意

1799年11月、サラボージー2世はイギリスとの新しい軍事保護条約を締結し、タンジャーヴール城以外の統治権を委譲しました。この合意により、彼は巨額の年金と収穫の5分の1を受け取ることになったのです。この時代、南インドは第二次マイソール戦争の影響で被害を受けていましたが、彼の統治の下、その復興が徐々に見えてきました。

文化と医療への貢献

サラボージー2世の治世の特徴的な部分としては、文化と医療の発展への尽力があります。彼は最新の印刷技術を取り入れ、自ら印刷所を設立して、様々な学問分野に関する文献を出版しました。また、タンジャーヴールのサラスヴァティー・マハル図書館を拡張し、教育と知識の普及に寄与しました。

さらに、彼は医療分野にも関心を持ち、特に眼科治療に力を入れました。白内障の手術に関する研究を奨励し、その成果を実践へとつなげることで、多くの人々の命を救いました。

晩年と継承

1832年3月7日、サラボージー2世はその生涯を閉じます。彼の死後、息子のシヴァージーが藩王位を引き継ぎました。サラボージー2世は、多様な言語に精通した博学者であり、タミル語、テルグ語、ウルドゥー語、ペルシア語などに加えて、英語やフランス語、ドイツ語、さらにはギリシア語やラテン語をも操る能力を持っていました。彼の豊かな知識は王国の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。

まとめ

サラボージー2世は、南インドにおける重要な歴史的人物であり、彼の治世は波乱にも満ちつつ、文化、医療、教育の発展においての彼の足跡が今もなお残っています。彼の業績は、単なる君主としての役割を超え、南インドにおける歴史の一部として、後世に語り継がれています。

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