サラマンカの戦い

サラマンカの戦い

概要

サラマンカの戦い（英語: Battle of Salamanca）は、1812年7月22日にスペインのアラピレス周辺で起こった重要な戦闘です。この戦いでは、ウェリントン伯爵アーサー・ウェルズリーが指揮するイギリス・ポルトガル連合軍が、オーギュスト・マルモン元帥のフランス軍を破りました。スペイン軍もこの戦闘に参加していましたが、実際の戦闘には関与せず後方待機していました。

背景

1812年4月、ウェリントンはバダホスを占領した後、フランス軍への反撃を開始しました。マルモンがサラマンカへ撤退した際、ウェリントンは自身の軍を準備させ、補給線を確保しました。6月にはフランス軍の補給拠点であるサラマンカを攻撃し、要塞化された修道院を破壊することに成功しました。この勝利によって、ウェリントンはフランス軍の脅威に立ち向かう準備を整えました。

7月22日、戦闘は早朝に始まりました。マルモンはフランス軍を南へ移動させ、イギリス軍の脇腹を攻撃しようとしましたが、ウェリントンは自軍の位置を巧みに隠し、反撃の機会を待ちました。

戦闘の展開

戦闘が始まると、イギリス軍の第3師団と騎兵隊がフランス軍の配置を攻撃しました。マルモン軍は指揮官の負傷により、指揮系統が混乱し、連続的な側面攻撃によりフランス軍は次々と押し返されていきました。特にイギリスの騎兵突撃が大きな打撃を与え、フランス軍の左翼が崩壊しました。

フランス軍の指揮権を引き継いだクルーセル将軍はさらに反撃を試みましたが、戦闘は激しさを増し、連合軍は彼らを圧倒しました。最終的にフランス軍は撤退を余儀なくされ、これによりイギリス軍がサラマンカを勝ち取ることになりました。

結果

戦闘の結果、連合軍は大きな勝利を収めましたが、多くの死傷者が出ました。イギリス側の死傷者は約5,000人、フランス側は1万3,000人に上りました。ウェリントンの指揮の下、この戦闘は彼の軍事的才能を証明し、彼は「42分で4万人の敵を撃退した」と称賛されました。

この戦いの後、イギリス軍は2か月間マドリードを占拠し、フランス軍に大きな打撃を与えました。この戦闘はナポレオン戦争の流れを変える重要な転機となりました。

文化的影響

サラマンカの戦いは後の文学や文化においても言及されることが多く、レフ・トルストイの『戦争と平和』にも描かれています。また、オーストラリア・タスマニア州のホバートには、この戦闘を記念して名付けられた「サラマンカ広場」が存在します。

この戦闘においてフランス軍が失った象徴的な鷲の像は、現在イギリスに存在しています。この戦の歴史的意義は、今でも多くの人々に記憶されています。

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