サラ・ヒューズ

サラ・ヒューズ：氷上の女王、栄光と引退

サラ・エリザベス・ヒューズ（Sarah Elizabeth Hughes、1985年5月2日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州グレート・ネック出身の元フィギュアスケート選手です。彼女は、2002年ソルトレイクシティオリンピック女子シングルでの劇的な金メダル獲得で、世界中の注目を集めました。妹のエミリー・ヒューズもフィギュアスケート選手であり、2006年トリノオリンピックに出場し7位入賞を果たしています。

生い立ちと家族

サラ・ヒューズは、アイルランド系カナダ人で元アイスホッケー選手の父ジョン・ヒューズと、ユダヤ系アメリカ人で会計士の母エイミー・パスターナックの間に、6人兄弟の4番目として生まれました。幼い頃から兄と姉の影響を受け、3歳でスケートを始めました。スポーツ一家に育ったことが、彼女の才能を開花させる原動力となったと言えるでしょう。

2009年5月には、イェール大学でアメリカ研究（政治・コミュニティ専攻）の学位を取得し卒業。現在はペンシルベニア大学ロースクールに在学中です。また、ニューヨーク・メッツのファンであることでも知られています。

競技経歴

サラ・ヒューズは、1997-1998年シーズンの全米フィギュアスケート選手権ジュニアクラスで優勝。翌1998-1999年シーズンには、世界ジュニア選手権で2位に入賞しました。同シーズンには、世界フィギュアスケート選手権に初出場し、7位という成績を収めています。

1999-2000年シーズンからシニアに移行。2000-2001年シーズンにはグランプリファイナルに進出し、3位に入賞。全米選手権では2位、世界選手権では3位入賞を果たし、銅メダルを獲得しました。

2002年ソルトレイクシティオリンピック

2001-2002年シーズンは、スケートカナダでミシェル・クワンとイリーナ・スルツカヤを破り、グランプリシリーズ初優勝を飾りました。グランプリファイナルでは2年連続の3位。全米選手権で3位となり、ミシェル・クワン、サーシャ・コーエンと共に、ソルトレークシティオリンピックの女子シングル代表に選出されました。

オリンピック本番では、SP（ショートプログラム）で4位とやや出遅れましたが、フリースケーティングでは、3回転-3回転の連続ジャンプを2度成功させるなど、会心の演技を披露し、暫定トップに躍り出ました。その後、SP3位のコーエンがミスを犯し、SP首位のクワンも精彩を欠く演技に終わり、最終滑走者のスルツカヤもミスが出たため、ヒューズがSP4位から大逆転で総合優勝を果たし、金メダルを獲得しました。この劇的な勝利は、フィギュアスケート史に残る名場面として語り継がれています。また、この功績が認められ、同年のジェームスサリバン賞を受賞しました。

引退

2002-2003年シーズン、自国開催の2003年世界選手権では6位に終わりました。同大会を最後に、サラ・ヒューズはアマチュア競技会へは出場せず、現役引退となりました。しかし、彼女の残した功績と、氷上で見せた輝きは、多くの人々の記憶に刻まれています。

主な戦績

2002年 ソルトレイクシティオリンピック 金メダル
2001年 世界フィギュアスケート選手権 3位
2001年 全米フィギュアスケート選手権 2位
1998年 世界ジュニアフィギュアスケート選手権 2位
* 1998年 全米フィギュアスケート選手権 ジュニア 優勝

サラ・ヒューズは、その才能と努力で、フィギュアスケート界に大きな足跡を残しました。彼女の活躍は、多くの人々に感動と勇気を与え、これからも語り継がれていくでしょう。

もう一度検索