サル・バンドー

サルバトーレ・バンドー：アスレチックス黄金期を築いた名三塁手

サルバトーレ・レオナルド・バンドー（Salvatore Leonard Bando, 1944年2月13日 - 2023年1月20日）は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド出身のプロ野球選手でした。ポジションは三塁手で、右投右打。実弟のクリス・バンドーもメジャーリーガー（捕手）として活躍しました。

現役時代：アスレチックスのリーダーとして

1965年のMLBドラフト6巡目（全体119位）でカンザスシティ・アスレチックスから指名されプロ入り。1966年にメジャーデビューを果たします。1968年に球団がオークランドへ移転すると、三塁手のレギュラーとして定着。そのシーズンは全162試合にフル出場しました。

1969年も2年連続で全試合出場を達成し、打撃面でも才能を開花させます。自己最多の31本塁打、113打点（アメリカンリーグ4位）、111四球（同3位）という素晴らしい成績を残し、オールスターにも初選出されました。1971年には94打点（ア・リーグ4位）を記録し、MVP投票でも2位に入る活躍を見せました。

1972年からアスレチックスはワールドシリーズ3連覇を達成しますが、バンドーはその中心選手としてチームを牽引しました。監督やオーナーに対する批判も厭わない、チームリーダーとしての強い責任感を持っていました。1973年は自己最高の打率.287、ア・リーグ最多の32二塁打、そして29本塁打と98打点（いずれもア・リーグ4位）を記録。1974年も102打点（ア・リーグ2位）を挙げるなど、チームの勝利に大きく貢献しました。

1976年オフにはFAとなり、ミルウォーキー・ブルワーズへ移籍。ブルワーズでは5年間プレーし、1981年を最後に現役を引退しました。16年間の現役生活で、一貫して背番号6を着用していました。

引退後：GMとしてチームを指揮

引退後はNBCスポーツで解説者を務めました。1991年10月には、古巣ブルワーズのGMに就任。すぐに新監督として、現役時代にアスレチックスで同僚だったフィル・ガーナーを招聘しました。GM1年目の1992年は92勝を挙げ、ア・リーグ東地区首位のトロント・ブルージェイズに次ぐ2位と躍進。しかし、翌1993年以降はシーズンを通して勝ち越すことはできませんでした。バンドーとガーナーの二頭体制は1999年まで続きましたが、同年8月にガーナーが監督を解任され、バンドーもレギュラーシーズン終了後に退任しました。

その後、2005年12月からは現役時代からの知人の縁で、玩具会社ミドルトン・ドールのCEOを務めていました。

2014年には、長年の功績が認められブルワーズの球団殿堂入りを果たしました。

プレースタイル：選球眼とタフネス

バンドーは、卓越した選球眼を持っており、1969年から2年連続で100四球以上を選んでいます。また、1968年から1978年までの11年間で、1974年を除いて毎年150試合以上に出場。うち4回はレギュラーシーズン全試合にフル出場するなど、タフな選手として知られていました。

サルバトーレ・バンドーは、アスレチックス黄金期を支えただけでなく、引退後もGMとしてチームに貢献した、球史に残る名選手です。

記録

MLBオールスターゲーム選出：4回（1969年、1972年 - 1974年）
背番号：6（1966年 - 1981年）

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