サロンエクスプレス東京

サロンエクスプレス東京

サロンエクスプレス東京（サロンエクスプレスとうきょう）は、1983年に日本国有[[鉄道]]（国鉄）によって改造された団体臨時列車用の欧風客車です。この車両は、ジョイフルトレインの一種として位置づけられ、旅行の楽しさを高めるために設計されました。国鉄の分割民営化を経て、1997年には和式客車「ゆとり」へと改造され、2008年まで様々な形で利用されました。

概要

1981年から、国鉄東京南鉄道管理局では和式客車のスロ62形・スロフ62形を改造した客車が運用されていましたが、特に若年層や団塊の世代からの支持を得るのは難しい状態でした。これを受け、彼らをターゲットにした新しいスタイルの「ゆったりとした鉄道旅行」を提供することを目指して登場したのが、サロンエクスプレス東京です。この車両は、従来の「お座敷列車」とは一線を画し、新たに「ジョイフルトレイン」という名称が定着するきっかけともなりました。

車両構造

サロンエクスプレス東京は、当初14系座席車から改造されており、車両構成は以下の通りです：
1号車のスロフ14 701はパノラマコンパートメント車で、展望室がセットされた独特のデザインを持っています。この展望室は、景色を楽しめる空間として設けられました。

2号車から6号車までのオロ14形は、すべてコンパートメント席を備えた車両です。これらでは、個室仕様となっており、ゆったりとした空間を提供します。最後に7号車のスロフ14 702はパノラマラウンジ車として、展望室とラウンジが統合されており、よりリラックスした雰囲気の中で旅行を楽しむことが可能です。

デザイン

サロンエクスプレス東京のデザインは、独自の色使いに特徴があります。車体は赤7号のベースカラーに、窓の上部には黄6号、下部には朱色3号の帯を施しています。この上品な色彩は、乗客に華やかな印象を与えるよう配慮されています。

沿革

車両は1983年8月に一般公開され、同年の秋から運行が開始されました。当初の運行では一部車両が欠けた状態での運転が続きましたが、その後全車両の改造が終わり、フル編成での運行が実現しました。運行中は、特に直流区間において、EF58型機関車が牽引することが多く、重厚感のある列車スタイルが強調されました。

しかし、時代の変化と共に需要は変化し、特に1990年代に入ると、アンノン族世代の海外旅行への関心が高まり、客室利用が減少。結果として、1997年に欧風客車としての運用が終了しました。

ゆとりへの改造

欧風客車としての役割を終えた後、サロンエクスプレス東京は和式客車「ゆとり」として改造され、団体輸送に特化した運用が行われることとなりました。これに伴い、コンパートメントやサロン室が撤去され、全車両が掘りごたつ仕様に改装されました。

最後の運用

しかし、時代と共に老朽化が進み、速度や運行の手間から、2008年には運用を終了することとなりました。その後も保留車として留置されていましたが、最終的には2015年に廃車回送されました。サロンエクスプレス東京の運用終了は、JR東日本の客車のジョイフルトレインとしての歴史に一つの終止符を打つこととなりました。

もう一度検索