サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ

サンタ・クルス・デ・ラ・シエラは、ボリビア東部、サンタクルス県の県都であり、一般的には「サンタ・クルス」として知られています。首都ラパスと並ぶボリビア最大の都市圏を形成しており、経済、文化の中心地として重要な役割を果たしています。

概要

アマゾン盆地南部の熱帯地域に位置し、海抜約400mの高原にあります。年間を通して温暖な気候で、平均気温は28℃程度です。しかし、「スラソ」と呼ばれる南風が吹くと急に気温が下がり、半袖では過ごしにくくなることもあります。気候や風習は、アンデス山脈の高地に位置するラパスとは大きく異なり、サンタ・クルス市民（クルセーニョ）は陽気で開放的な性格と言われています。また、ラパス市民に対抗意識を持つ傾向があり、日本人から見ると東京と大阪の関係に似ていると感じられることもあります。サンタ・クルス地方の人々は、自身を誇りを持って「カンバ」と呼び、ラパス近郊のアルティプラーノの人々を蔑みの意味を込めて「コリャ」と呼ぶことがあります。

地理

サンタ・クルスは、ケッペンの気候区分ではサバナ気候（Aw）に属します。熱帯性気候のため、年間を通して温暖で、雨季と乾季がはっきりしています。

人口

近年、人口が急激に増加しており、ラパスよりもはるかに多い人口を抱える都市へと発展しています。しかし、ラパス市は隣接するエル・アルト市と事実上、一体化しており、首都圏人口ではサンタ・クルス市を上回ります。そのため、一般的には「ボリビア第2の都市」と呼ばれています。また、市街地が環状に広がっていることから、「指輪の都市 (La ciudad de anillo)」とも呼ばれています。

歴史

この地には、16世紀にスペイン人のコンキスタドールたちが到達しました。1549年には、ドミンゴ・マルティネス・デ・イラーラがこの地域を探検しましたが、本格的な植民は1558年にニュフロ・デ・チャベスによって開始されました。チャベスは、アスンシオンから探検隊を率いてこの地を訪れ、リマの副王の説得に成功し、新しい州の統治者となりました。1561年、チャベスは現在の場所から220km東の地にサンタ・クルス・デ・ラ・シエラを建設しました。街の名前は、チャベスの故郷にちなんで名付けられました。

しかし、原住民からの攻撃が絶えず、1568年にはチャベスが殺害されるという事件が起きました。その後、権力闘争や原住民との衝突が続いたため、ペルー当局は街を西に移転するように命じました。多くの住民は元の場所に残ることを選択しましたが、1590年に街はグアパイ・エンペーロ川の堆積地に公式に移転し、サン・ロレンソ・デ・ラ・フロンテーラと改名されました。しかし、新しい場所は生活環境が厳しかったため、1595年に再び移転を余儀なくされました。この移転が最終的なものとなり、1600年代初頭までサン・ロレンソの地名が使われ続けましたが、1622年に最終的に統合され、元のサンタ・クルス・デ・ラ・シエラの名前が復活しました。元の居住地の遺構は、現在では「サンタ・クルス・ラ・ビエハ（Old Santa Cruz）」と呼ばれ、観光客が訪れることのできる考古学的な場所となっています。

交通

サンタ・クルスの空の玄関口は、ビルビル国際空港（VVI）です。ラパスなどの国内主要都市を結ぶ路線のほか、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイなどの周辺国主要都市や、アメリカのマイアミとを結ぶ路線があります。

対外関係

サンタ・クルスは、多くの都市と姉妹都市・提携都市関係を結んでおり、国際的な交流を積極的に行っています。

その他

サンタ・クルスには、日本人墓地があり、歴史的なつながりを示す場所となっています。

外部リンク

サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ公式サイト（スペイン語）

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