サンタ・マリア級フリゲート

サンタ・マリア級フリゲート

サンタ・マリア級フリゲートは、スペイン海軍で運用されるミサイルフリゲートの艦級です。この艦級は、アメリカ海軍のオリバー・ハザード・ペリー級を基にして、スペイン国内でライセンス生産されたものです。サンタ・マリア級は、1960年代から続くスペインの戦闘艦国産化計画の一環として設計、建造されました。

来歴

スペインでは、1960年代に戦闘艦の国産化を目指すプロジェクトが始まりました。初めての試みとして、1968年から1976年にかけて5隻のバレアレス級フリゲートが建造されました。この艦はアメリカのノックス級護衛駆逐艦を原型にしたもので、アメリカの設計会社ギブス・アンド・コックスが設計し、スペインのバサン国営公社が建造しました。しかしながら、アメリカでは新たにオリバー・ハザード・ペリー級というフリゲートの設計が進行中で、1975年に初の艦が起工しました。その後、スペイン海軍は1977年にペリー級の3隻をライセンス製造する契約を結びましたが、当時の軽空母建造計画が優先されたため、ライセンス計画は1981年までほぼ停滞しました。1982年にはついに初の艦が起工され、1986年には4隻目が完成、その後1989年にはさらに2隻が完成しました。

設計

サンタ・マリア級の設計は、オリバー・ハザード・ペリー級を基本にしていますが、船体の幅は46.9フィート（約14.3メートル）と拡張されており、安定性が向上しています。また、この級の後期建造艦では女性による乗務に対応するために、居住空間の改修が行われました。主機関にはゼネラル・エレクトリック製のLM2500-30ガスタービンエンジンが2基搭載され、推進は1軸の方式となっています。電源は強化され、発電能力も向上しました。

装備

装備に関しては、基本的にはオリバー・ハザード・ペリー級の装備を踏襲していますが、近接防空システムや電子戦システムにおいては国産機や欧州製の機器が用いられる点が特徴です。レーダーシステムは、対空捜索用のAN/SPS-49|AN_SPS-49や対水上捜索用のAN/SPS-55|AN_SPS-55が装備されています。ハイドロフォンも搭載され、対潜能力が強化されています。

武器システム

武器システムの面でもペリー級を踏襲しつつ進化しています。主砲には76mmコンパット砲を搭載し、防空能力を支えるターター・システムが装備されています。ペリー級同様、艦首甲板上にはミサイル発射機があり、防空用のSM-1MR艦対空ミサイルと対水上用のハープーン艦対艦ミサイルを搭載しています。さらに、近接防空用には国産のメロカが搭載され、電子戦能力を強化するために最新のシステムが導入されています。

同型艦一覧

サンタ・マリア級フリゲートは、スペイン海軍にとって重要な役割を果たす艦艇の一つであり、複数の同型艦が運用されています。今後の海軍力強化に向けて、さらなる改良や運用が期待されます。

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