サンユアンサウルス

サンユアンサウルスの概要

サンユアンサウルス（Sanjuansaurus）は、後期三畳紀のカーニアン期に現在の南米、具体的には北アルゼンチンのサンフアン地方に生息していたヘレラサウルス科の恐竜の一種です。この恐竜は、2010年にオスカル・アルコベルとリカルド・マルティネスによって記載され、模式種は「サンユアンサウルス・コルディルロイ（S. gordilloi）」と名付けられました。この名称はサンフアン博物館のラウル・ゴルディージョに由来しています。

生息年代と発見場所

サンユアンサウルスは約2億3140万年前に生息していたと考えられており、その化石はイスキグアラスト累層から発見されました。模式標本（PVSJ 605）には、多くの連続した椎骨や右上顎骨の一部、肩甲烏口骨、上腕骨、尺骨、腸骨、大腿骨、脛骨などが含まれており、保存状態は良好です。この標本の分析からは、大腿骨の長さは約395mmと測定され、全長は約3メートルであり、これは中程度のサイズのヘレラサウルスと同等であることが示唆されています。

特徴

サンユアンサウルスは、他のヘレラサウルス科恐竜と差別化されるいくつかの特徴を持っています。例えば、椎骨の両側には後方に向かう突起があり、恥骨は短く（大腿骨長の約63%）、大腿骨の第四転子の付近には顕著な皺が見られます。これらの特徴により、サンユアンサウルスは独自の分類に位置づけられています。

分類上の位置

サンユアンサウルスは、クロモギサウルスやエオラプトル、ヘレラサウルス、パンファギアといった初期の恐竜と共存していたとされています。アルコベルとマルティネスは、分岐学的分析の結果、この恐竜がヘレラサウルス科に属することを示唆しました。

名称の由来

サンユアンサウルスという名前は、その発見場所であるサンフアン州に基づいています。サンフアンの綴りは「San-Juan」であり、これをラテン語で読むと「サンユアン」となります。学名は通常ラテン語として命名されるため、英語読みの「サンジュアンサウルス」や他の形式とは異なり、ラテン語的な響きが意図されています。どの呼び名が正しいかということを議論するのは意味がありませんが、名称の背後にはこのような言語的由来があります。

出典

この情報は、次の文献を基にしています:

• - Alcober, Oscar A.; and Martinez, Ricardo N. (2010). “A new herrerasaurid (Dinosauria, Saurischia) from the Upper Triassic Ischigualasto Formation of northwestern Argentina”. ZooKeys 63: 55–81. doi:10.3897/zookeys.63.550.

サンユアンサウルスは、恐竜の進化や生態系の理解を深める上で重要な存在であり、今後の研究に期待が寄せられています。

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