サヴォイア伯国

サヴォイア伯国

サヴォイア伯国（イタリア語：Contea di Savoia, フランス語：Comté de Savoie, ラテン語：Comitatus Sabaudiae）は、中世に現在のイタリアとフランスにまたがって存在した国家です。その起源は、サヴォイア家の祖とされるウンベルト・ビアンカマーノ（980年頃 - 1047年/1048年）に遡ります。伯国の領土は、現在のフランス領サヴォワ（サヴォワ県とオート＝サヴォワ県）を中心に、イタリアのピエモンテ西部にも及んでいました。

地理

伯国の中心は、首都の役割を担ったシャンベリ周辺地域でした。イタリア側では、ピエモンテ西部の山岳地帯、特にピネローロを中心とするヴァッレ・ディ・スーザとヴァル・キゾーネが主要な領域でした。

歴史

サヴォイア家の歴史は、1003年の文書に「伯」として言及されたウンベルト・ビアンカマーノから始まります。1032年のブルグント王国崩壊後、ウンベルトはローマ皇帝コンラート2世に加勢し、モーリエンヌとサヴォワの伯爵の称号を得ました。さらに、イゼール渓谷のモーリエンヌの所領と、ドイツ皇帝の象徴であるワシの紋章の使用も許可されました。この時、領土はアルク渓谷沿い、モンメリアンからシャンベリ、そしてモンチェニージオに至る地域、ブルージェ湖畔、レマン湖岸、ローヌ川流域にまで広がりました。

1046年、ウンベルトの息子オッドーネとトリノ辺境伯の娘アデライデの結婚が、サヴォイア家とピエモンテを結びつけました。この結婚により、スーザ地域とトリノ辺境伯領がサヴォイア家の支配下に入り、後のサヴォイア公、ピエモンテ公、サルデーニャ王、そしてイタリア王へと続く道が開かれました。

オッドーネ1世の後は、アメデーオ2世とピエトロ1世が伯位を継承しましたが、彼らの母アデライデが実質的な統治を担いました。ウンベルト2世とアメデーオ3世がその後を継ぎ、特にアメデーオ3世はオートコンブ修道院を建立しましたが、十字軍からの帰還中にペストで亡くなりました。この出来事から、サヴォイア家の紋章には十字の盾が加えられました。息子のウンベルト3世が列福された後、トンマーゾ1世はフリードリヒ2世により皇帝代理に任命され、ピエモンテの領地を回復し、領土をアルプス以北に拡大しました。

トンマーゾ1世の死後、一族間で対立が生じ、財産分割が行われました。アメデーオ4世がサヴォイア伯の称号と直轄地の大部分を継ぎ、トンマーゾ2世はピエモンテの領地を得てピエモンテ公の称号を得ました。アメデーオ4世の息子ボニファーチョの後を継いだのは叔父たち、ピエトロ2世とフィリッポ1世でした。

フィリッポ1世の死後、サヴォイア伯国は10年に及ぶ継承権争いに見舞われました。最終的に、伯爵の称号と領地の大部分は、アルプス越えの商業ルートを掌握したフィリッポ1世の甥アメデーオ5世が獲得しました。アメデーオの弟ルドヴィーコはヴォーの北東部を、フィリッポ（アメデーオ5世の兄トンマーゾ3世の息子）はピエモンテの土地をそれぞれ分けられました。

アメデーオ5世の後を継いだのは、エドアルドとアイモーネで、アイモーネが息子のエメデーオ6世に伯位を譲りました。エメデーオ6世は、ビエッラ、クーネオ、サンティアを獲得し、ヴォーを統合しました。息子のエメデーオ7世は「赤い伯爵」と呼ばれ、ニースを獲得してサヴォイア伯国をさらに拡張しました。そして、19代サヴォイア伯アメデーオ8世は、皇帝ジギスムントにより公爵に昇爵されました。

歴代サヴォイア伯

（省略）

1416年以降、サヴォイア伯国はサヴォイア公国となりました。

関連項目

サヴォイア家
サヴォイア公国
* サヴォイア十字軍

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