ザクスピード・871

ザクスピード・871 (Zakspeed 871)

ザクスピード・871は、1987年のF1世界選手権に出場したフォーミュラ1カーである。このマシンは、ザクスピードによって設計され、クリス・マーフィー率いるデザインチームが手掛けた。前作のザクスピード・861の後継モデルとして登場し、スポンサーにはドイツのタバコ会社『ウエスト』がついていた。871は、赤と白の魅力的なカラーリングを施され、注目を集めた。

開発と設計

前型の871は、シャシーの設計が一新され、特にモノコックは新たに作られることとなった。これにより、車両は低く、コンパクトな形状を持ち、空力性能の向上を図っていた。また、自社開発の1.5リッター直列4気筒ターボエンジン「1500/4」が搭載され、最大出力は920馬力に達した。ドライバーには、元ティレルのマーティン・ブランドルと国際F3000選手権王者のクリスチャン・ダナーが起用された。

レース戦績

1987年シーズンの開幕戦ブラジルGPには間に合わず、ザクスピードは前型861で出場していた。しかし、第2戦サンマリノGPではブランドルが871を使用し、15位で予選を通過。決勝では5位に入賞し、貴重な2ポイントを獲得した。このポイントは、ザクスピードにとってF1で初めての選手権ポイントとなった。

この年からはBMWジュニアチームとの繋がりから、ボッシュ・エレクトリックとの関係が強化され、エンジン・マネージメントシステムの改善に寄与した。その結果、前年モデルよりも信頼性が向上した。しかし、871はダウンフォース不足に悩まされ、しばしばリタイアを強いられた。

ドライバーのコメント

ブランドルは、セッティングの多くを試みたものの「何をやっても全然変わらない」と述べ、特にモナコやハンガロリンクではひどい状況に直面したことを明かした。さらに、第8戦ドイツGPでは、イグニッションやエンジン、トランスミッション等、様々なトラブルが次々と発生。続くハンガリーGPでも、メカニックのミスや設定ミスによるトラブルが重なり、ブランドルは「悪夢のような2戦」と表現している。このような苦境の中、F1から離れ、より競争力のあるカテゴリーに挑戦する決心を固めた。

結果と後継

871のシーズンは、最終的にコンストラクターズランキングで10位を記録した。ドライバーではブランドルが18位、ダナーがそれに続いた。1988年のシーズン開始とともに、後継モデルのザクスピード・881が投入されることとなる。

スペック

• - クラッチ: ザックス / AP
• - ブレーキキャリパー: AP
• - ブレーキディスク・パッド: ザックス
• - スパークプラグ: チャンピオン

このように、ザクスピード・871は多くの挑戦があったものの、F1の歴史に名を刻むこととなったマシンなのだ。

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