ザジキ

ザジキ

ザジキとは、ギリシャの伝統的な前菜で、スブラキやギロピタの添え物として広く知られているソースです。ギリシャ語では「τζατζίκι」（tzatziki）と呼ばれ、トルコ語では「Cacık」という名称で親しまれています。日本においては「ジャジキ」「ツァツィキ」「ザツィキ」「ツァジキ」など、いくつかのカナ転記が存在します。

調理法

ザジキの基本的な材料は、水切りヨーグルト、キュウリ、ニンニク、塩、オリーブオイル、コショウ、ディルです。通常、ヒツジやヤギの乳を使用したヨーグルトが用いられます。キュウリは、種を除いて細かく切るか、ピュレにして水分をしっかりと絞ります。その後、他の材料と混ぜ合わせ、時にはレモン汁やミント、パセリといったハーブを加えることもあります。出来上がったザジキは、冷たいままサーブされます。

使用法

ギリシャやキプロスなどの地中海地域では、ザジキは主に前菜としてパンと一緒に提供されます。観光客向けのレストランでは、ピタや普通のパンにディップとして提供されることが多いです。また、ザジキの酸味は、肉料理の脂っこさを和らげるため、スブラキやギロピタのソースとしても用いられ、特にアメリカ合衆国ではここの地域で「キュウリソース」として知られるようになっています。

各国でのバリエーション

ザジキの起源は、トルコの「ジャージュク」（Cacık）にあるとされますが、こちらは同じ材料を使いつつ水分が多めです。キプロスでは、「タラトゥーリ」と呼び、ニンニクの使用が少なく、代わりにハーブやミントを加えます。ブルガリアやマケドニアでは、この料理は「タラトール」または「スネジャンカ」と呼ばれ、特別なアペタイザーとして出されます。これらの国では、ヨーグルトを水切りした後、キュウリやニンニク、挽いたクルミを加えて作られます。また、イラクの「ジャジーク」は、メゼとしてアルコール飲料と共に提供されます。

カフカース山脈地域では、ヨーグルトの代わりにケフィアを使った「オヴドゥフ」という料理があり、野菜や卵、ハムの上からかけることで「カフカース式オクローシカ」として楽しむことができます。イランでは「マースト・ヒヤール」という料理があり、こちらは濃厚な水切りヨーグルトを使用してさらにキュウリやニンニク、ミントといった材料を加えます。

アメリカでは、手軽に作れるようにヨーグルトの代わりにサワークリームを使うことが多いですが、最近では様々な脂肪分のあるギリシャ式水切りヨーグルトが販売されるようになり、より本格的なザジキを短い時間で作れるようになっています。また、ザジキはインド料理における「ラーイター」や「パチャディ」とも比較され、これらも冷たいヨーグルトをベースにした料理ですが、キュウリ以外の野菜が使われることがあります。

まとめ

ザジキは、ギリシャ料理の代表的な前菜としてだけでなく、様々な地域でのバリエーションやアプローチが見られ、地中海の食文化を体現する一品となっています。

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