ザナヴィ・インフォマティクス

株式会社ザナヴィ・インフォマティクスについて

株式会社ザナヴィ・インフォマティクスは、車載機器を専門にした企業で、神奈川県座間市に本社を構えていました。この会社は、日産自動車と日立製作所の共同出資によって1991年に設立されました。設立当初は日産が49%、日立が51%の株式を所有していましたが、2000年には日産の全株式が日立に譲渡され、日立の完全子会社として運営されることになりました。その後、2007年にはクラリオンの完全子会社となり、最終的に2009年にクラリオンに吸収合併されて解散しました。

製品と技術

ザナヴィ・インフォマティクスは、カーナビゲーションシステムやカーステレオなどの自動車向け情報通信機器の開発、製造、販売を行っていました。特に、日産自動車向けのOEM商品に注力し、メーカーオプションやディーラーオプションの製品が多く流通していました。また、XANAVIブランド名で市販されたカーナビゲーションも存在し、カー用品店で販売されていました。

同社の技術革新の一環として、1995年には世界初の「バードビュー」機能を搭載したカーナビを商品化しました。この技術は、鳥が空から見下ろしたような視点で地図を表示するもので、日産車との共同開発の結果生まれました。

モータースポーツへの関与

さらに、ザナヴィ・インフォマティクスはモータースポーツにも積極的に参加しており、1998年から2008年の間、SUPER GTに参加していました。この期間中、NISMOのメインスポンサーとしても知られており、1995年から1997年までは全日本ツーリングカー選手権でもNISMOを支援していました。これらの活動は、ブランドの認知度を高め、商品の信頼性を向上させることに貢献しました。

地図メディアの進化

ザナヴィが展開した製品には、地図データの記録媒体としてCD-ROM、DVD-ROM、HDD、一部ではコンパクトフラッシュメモリーも使用されていました。しかしながら、地上波デジタルテレビチューナーを搭載した機種は発売されることがなく、ブランドは徐々に終了を迎えることとなります。その後、ブランドが終息した後も、クラリオンは地図ソフトのリリースを続けましたが、CD-ROMは2010年、DVD-ROMは2012年をもって更新が停止しました。

まとめ

株式会社ザナヴィ・インフォマティクスは、長い歴史を持ち、自動車業界において重要な役割を果たした企業でした。技術革新やモータースポーツへの関与を通じて、多くの自動車ファンや業界関係者に影響を与えました。残念ながら、2009年の吸収合併によってその役割は終焉を迎えましたが、その技術や製品は今でも多くの人々の記憶に残っています。

もう一度検索