ザルカ

ザルカは、ヨルダン西部に位置するザルカ県の県都であり、首都アンマンの北東約25kmに位置する都市です。人口は約79万人（2000年時点）で、ヨルダン国内で2番目に大きな都市であり、総人口の約15.5%を占めています。ザルカという名前はアラビア語で「青色」を意味します。

気候と地理

ザルカの気候は、乾燥地域に典型的な特徴を示しており、昼夜の気温差が非常に大きいです。特に、アンマンと比較しても寒暖差が激しいことが知られています。この乾燥した気候は、ザルカの都市生活や農業に大きな影響を与えています。

歴史

ザルカの歴史は、1902年にロシア帝国からオスマン帝国に逃れてきたムスリムのチェチェン人が入植したことから始まりました。当時、ヒジャーズ鉄道が開通し、ザルカに駅が設置されたことが、周辺地域の物資集散地としての発展を促しました。1940年代以降、パレスチナ難民などがザルカに流入し、市街地は急速に拡大しました。特に、第三次中東戦争（六日間戦争）によってヨルダン川西岸地区から逃れてきた人々が、人口の過半数を占めるようになりました。

都市開発

近年、ヨルダン政府はザルカのさらなる発展を目指し、37万人が居住可能な新市街の建設を承認しました。このプロジェクトはサウジアラビア企業の出資によって進められており、新しいオフィスビルやアンマンとの間の鉄道建設も計画されています。これらの開発により、ザルカはより近代的な都市へと変貌することが期待されています。

文化と名所

ザルカには、旧市街のランドマークとなっているカスル・シェビーブという城塞があります。また、1992年に創立されたハシミテ大学やザルカー大学も所在しており、教育・文化の中心地としての側面も持っています。

産業

ザルカは、ヨルダンの工業の中心地として知られており、国内の工場の50%以上が集中しています。首都アンマンに近接していることや、比較的安価な地価が、ザルカの経済成長を支える要因となっています。

姉妹都市

ザルカは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

オラン（アルジェリア）
スファックス（チュニジア）

歴史的な事件

ザルカ近郊には、かつてイギリス軍のドーソン基地があった場所があります。1960年代末には、この基地がパレスチナ解放人民戦線（PFLP）によって占拠され、「革命空港」と名付けられました。1970年9月には、PFLPによる旅客機同時ハイジャック事件が発生し、これがヨルダン内戦の引き金となりました。この一連の事件は「黒い九月事件」として知られています。また、テロリストのアブー＝ムスアブ・アッ＝ザルカーウィーもザルカの出身です。

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