シェイク・マンスール大隊

シェイク・マンスール国際平和維持大隊

シェイク・マンスール国際平和維持大隊、通称シェイク・マンスール大隊は、ウクライナ紛争においてロシアおよび同国が支援する分離主義勢力と戦うチェチェン人義勇兵部隊です。この部隊は、18世紀後半にロシア帝国主義に抵抗したチェチェンの軍司令官でありイスラム指導者でもあったシェイク・マンスールに敬意を表して名付けられました。

歴史

設立

2014年、デンマークで設立された「自由カフカス機構」が、大隊創設の母体となりました。この組織は、コーカサスやヨーロッパからの政治移民によって構成されています。同年10月、自由カフカス機構の幹部会は、シェイク・マンスール大隊の設立を発表し、第一次・第二次チェチェン紛争を経験したベテランであるムスリム・チェベロエフスキーを指揮官に任命、ウクライナ東部での戦闘に参加することを明らかにしました。

シェイク・マンスール大隊は、当初ジョハル・ドゥダエフ大隊の一部でしたが、指導者たちの判断により二つの重要な戦線（クラマトルスクとマリウポリ）で活動するため、分離独立しました。ウクライナ当局からも承認と支援を受け、ジョハル・ドゥダエフ大隊に続く二つ目のチェチェン人部隊となりました。

当初、大隊はウクライナの極右政党「右派セクター」の義勇兵部隊であるウクライナ義勇軍団の指揮下で活動していました。

制裁

ウクライナ政府は、大隊が親ウクライナの立場を堅持しているにもかかわらず、一部の戦闘員をロシアに引き渡し、2021年には彼らに対して制裁を科しました。2018年には、ドンバス戦争の退役軍人で大隊メンバーであるティムール・トゥムゴエフがロシアに引き渡され、拷問を受け、16年の刑を宣告されたと伝えられています。アフメド・イラエフやアリ・バカエフなど、他の戦闘員も依然として引き渡しの脅威にさらされています。

これらの引き渡しと制裁は、ロシア連邦保安庁（FSB）とウクライナ政府内の協力者によるものだと、ドミトリー・ヤロシなどのウクライナの司令官によって批判されています。

ウクライナ紛争への参加

シェイク・マンスール大隊は、ドンバス戦争に参加しました。2015年のシロキネの戦いでは、他のウクライナ軍と共に、マリウポリ東部のシロキネ村でロシアが支援する分離主義勢力と戦いました。純粋な義勇兵のみで構成された最後の部隊の一つであったシェイク・マンスール大隊は、2019年9月に解散しました。

しかし、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を機に再編成され、ジョハル・ドゥダエフ大隊と共にキーウ近郊の防衛に参加し、キエフの戦いではパルチザン活動を展開しました。彼らは以前マリウポリの戦いにも参加していましたが、首都防衛の重要性を認識し、キーウへと移動しました。

2022年7月、大隊はチェチェンでの反乱を宣言しました。

指揮官

大隊司令官：ムスリム・チェベロエフスキー
大隊参謀長：ムスリム・イドリソフ

関連項目

カディロフツィ
ジョハル・ドゥダエフ大隊
2022年ロシアのウクライナ侵攻
ウクライナ紛争

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