シカゴ山中商会

シカゴ山中商会の歴史

シカゴ山中商会（Yamanaka & Co. Inc., Chicago）は、アメリカ合衆国シカゴに位置していた、美術品を扱う商社である。この商会は、大阪市に本社を持つ山中商会の支店の一つであり、アメリカ国内での存在感がありました。

設立の背景と運営

山中商会は、1928年にノース・ミシガン・アベニュー846番地に店舗を開店しました。このアドレスは「マグニフィセント・マイル」と呼ばれる高級ショッピングエリアにあり、同じビル内には高級百貨店のサックス・フィフス・アベニューが入居していました。この立地は、シカゴにおける美術商としての地位を確立する一因となります。店舗開設から8年後の1936年には、イリノイ州の法制度に基づき株式会社へと改組しました。

破綻の経緯

しかし、1941年の夏、日本とアメリカの関係が悪化する中で、シカゴ山中商会は困難な状況に直面しました。当時の店長である下間豊吉が、企業の重役会議に出席するため大阪へ帰国した際、7月21日の日本による仏印進駐を受けて、在米日本資産の凍結が命じられました。この影響で、日本への資産移動や商品の仕入れができなくなり、下間はアメリカに戻れなくなりました。この後、永井寿三が新たな店長に就任します。

同年の8月12日、大阪本社ではシカゴとボストンの店舗をニューヨーク店に統合することが決定され、その対応について論議を重ねている最中に、12月7日に真珠湾攻撃が発生しました。この事件を受け、すぐにアメリカの財務省の管理下に置かれ、事実上の閉店となりました。

1942年の2月には最後の立ち退きセールが行われ、多くの人々が押し寄せ、売上は1週間で17,500ドルに達しました。その後6月16日には、敵国資産管理人局による管轄が始まり、最終的には1944年3月末に店舗が閉店します。在庫のうち、評価の高い品はニューヨークの店に送られ、その他の品々はメイシーズ百貨店に譲渡されることになりました。

最終的には、1945年7月16日に法人の解散届が提出されましたが、固定資産税に関する訴訟が原因で正式には受理されず、1946年以降の受領となったと考えられています。戦後は、永井寿三が個人名義で美術商を継続しました。

結論

シカゴ山中商会は、アメリカにおける日本の美術商の礎を築いた存在でしたが、歴史的な背景の中で次第に厳しい状況に追い込まれ、お終いを迎えました。この商会の歴史は、国際的な関係がビジネスに与える影響を如実に物語っています。

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