シグマンド・ロンバーグ

シグマンド・ロンバーグ（Sigmund Romberg, 1887年7月29日 - 1951年11月9日）は、ハンガリーで生まれ、後にアメリカで活躍した作曲家です。元々はハンガリー語でRomberg Zsigmondといいました。ユダヤ人家庭に生まれ、ウィーンで技術を学ぶ傍ら、作曲の才能も開花させました。その後、イギリスを経て1909年にアメリカへ渡り、オペレッタの作曲家としてその名を知られるようになりました。

ロンバーグの作品は、後のミュージカルの基礎を築いたと言われています。彼の楽曲は「ロンバーグ・メロディ」として親しまれ、その美しい旋律は多くの人々の心を捉えました。

特に、オスカー・ハマースタイン2世との共作によるブロードウェイ・ミュージカル『ニュー・ムーン』は、彼の代表作の一つです。この作品に挿入された「朝日のごとくさわやかに」（Softly, as in a Morning Sunrise）や「恋人よ我に帰れ」（Lover, Come Back to Me）は、ジャズのスタンダードナンバーとして、今日でも広く愛されています。これらの曲は、そのロマンティックなメロディーと洗練されたハーモニーで、多くの音楽家やファンを魅了し続けています。

また、『学生王子』（The Student Prince）もロンバーグの重要な作品の一つです。この作品は、ドイツの古都を舞台にしたロマンティックな物語で、ウィンナ・オペレッタの伝統を受け継いだ美しい旋律が特徴です。日本では、二期会などのクラシック系の団体によって上演されることも多く、その優雅な音楽は多くの観客を魅了しています。

ロンバーグは数多くの楽曲を作曲しました。以下に主なものを紹介します。

主な楽曲
"Her Soldier Boy" (1917年)
"Home Again" (1916年) ※作詞: オーガスタス・バラット
"Kiss Waltz" (1916年) ※作詞: リダ・ジョンソン・ヤング
"Mother" (1916年) ※作詞: リダ・ジョンソン・ヤング
"Sister Susie's Started Syncopation" (1915年) ※作詞: ハロルド・アタリッジ
"Won't You Send a Letter to Me?" (1917年) ※作詞: ハロルド・アタリッジ
「恋人よ我に帰れ」 - "Lover, Come Back to Me" (1928年) ※作詞: オスカー・ハマースタイン2世
"One Kiss" (1928年) ※作詞: ハマースタイン
「朝日のごとくさわやかに」 - "Softly, as in a Morning Sunrise" (1928年) ※作詞: ハマースタイン
"Stout Hearted Men" (1928年) ※作詞: ハマースタイン
主な作品
『青い天国』 - The Blue Paradise（1915年）
『5月の季節』 - Maytime（1917年）
『イスタンブールの薔薇』 - The Rose of Stamboul（1922年）
『学生王子』 - The Student Prince（1924年） ※『アルト・ハイデルベルク』に基づく
『砂漠の歌』 - The Desert Song（1926年）
『ニュー・ムーン』 - The New Moon（1928年）

ロンバーグの音楽は、その美しいメロディーと豊かなハーモニーによって、今日でも多くの人々を魅了し続けています。彼の作品は、ミュージカル音楽の歴史において重要な位置を占めており、後世の作曲家や音楽ファンに多大な影響を与えています。

外部リンク
シグマンド・ロンバーグ - インターネット・ブロードウェイ・データベース（英語）
Sigmund Romberg - IMDb（英語）
* 『君よ我が胸の奥深く（Deep in My Heart ~ from Student Prince in Heidelberg）』ヴァイオリン演奏:フリッツ・クライスラー 1928年4月日本ビクター新譜（1926年2月22日録音） 国立国会図書館歴史的音源

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