シゲタ動物薬品工業

シゲタ動物薬品工業株式会社は、かつて富山県小矢部市に存在した動物用医薬品の研究、開発、製造を行う企業でした。1986年に「株式会社ブルー十字動物血液センター」として設立され、2000年に社名を変更しました。

同社は、動物用血液型判定薬や血液製剤を主力商品とし、他に業務用廃棄物処理機「コビタン・ディスアピア」の開発・販売、DNA検査による食品の産地特定、動物血液検査技師の教材販売など、幅広い事業を展開していました。マスコットキャラクターとして「しげたろう」と「ひめこ」がいました。

また、モノクローナル抗体を用いた高精度な「シゲタ式」犬猫血液型分類法の開発や、インドネシアのボゴール農科大学との共同研究による高病原性鳥インフルエンザワクチン開発など、独自の技術を多数保有していました。そのため、テレビ局や新聞社からの取材や検査依頼も多かったようです。

2006年には福井県大野市の工場跡地を取得するなど事業拡大を図りましたが、2007年11月、未承認の犬用血液型判定薬を販売したとして社長を含む5人が逮捕されました。これにより、2008年2月末に本社を閉鎖し、倒産しました。負債総額は約13億円に上るとされています。

本社跡地は現在、立ち入り禁止となっており、廃墟化した建物内部には多くの薬品や機材が放置されています。2021年には不審火により一部が焼失し、2023年現在も建物の取り壊しや跡地活用は進んでいません。

関連事業として、インドネシアのボゴール農科大学との合弁会社「PT. IPB SHIGETA ANIMAL PHARMACEUTICALS」、Q熱検査センター「人獣共通感染予防医学研究所」、ペットの血液判定証明書発行を行う「SGT動物血液協会」、動物血液検査技師の協会「日本動物血液検査技師協会」、食品のDNA検査を行う「日本DNA食品検査センター」がありました。

同社は、複数のテレビ番組にも出演しており、その活動が紹介されていましたが、未承認薬販売事件により企業のイメージは大きく損なわれました。

また、2007年には文部科学省から、遺伝子組換え生物等の使用に関する法令違反で厳重注意を受けています。

倒産の直接的な原因となったのは、2005年4月から5月にかけて、農林水産省の承認を受けていない犬用血液型判定薬を、無許可で名古屋市などの動物病院に販売したことです。この事件で社長らが逮捕され、同社は事業継続が困難になりました。

シゲタ動物薬品工業の倒産は、動物用医薬品業界における法令遵守の重要性を示す事例として、教訓を残しています。

関連リンクとしては、ウェイバックマシンに残された同社の旧公式サイトや関連団体のウェブサイトが残されています。

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